業務系システムのエンジニアとは? 活躍する業界から年収について調査

 フラン健史郎 | 2020/02/03 - 18:17

一言でエンジニアといっても様々な分類があります。

今回は、業務系システム(基幹系システム、基幹業務システムなどとも言われる)の開発・保守に関わる、業務系システムエンジニアについて見ていきたいと思います。

業務系システムとは?

業務系システムとは、企業が業務を行う上で特に重要なシステムの総称です。

そもそも論として企業が業務で使う社内システムは大きく分けて、「業務系システム」と「情報系システム」に分けられます。まずは、概念が分かりやすい情報系システムについて見ていきましょう。

情報系システムは「業務系システム」「部門別システム」とも呼ばれることもありますが、早い話が、社員同士でコミュニケーションを取るために整備されたシステムのことです。

イントラサイト(社内Web掲示板)やメールシステム、グループウェア、社内SNS、スケジュール管理システム、TV会議システム、それからIP電話システムなどが情報系システムの例として挙げられます。

これら情報系システムは、利用できないとなると不便ではありますが、「使えなくなっても業務がストップすることはない」ですよね。TV会議システムが使えないならば、電話を使えばいいでしょう。イントラサイトがシステムメンテナンス中で情報を更新できないならば、メール展開すれば良いだけのことですよね。

それに対して、業務系システムは、情報系よりも重要度が高く、「使えなくなると業務がストップしてしまう」システムです。人事給与システムや財務会計システムなどがその代表例です。そうしたシステムを統合したERP(企業資源計画)パッケージというものもあります。

もちろん、ERPパッケージのような、どの企業でも必要不可欠なシステムだけでなく、業種や企業特有の「使えなくなると業務がストップしてしまう」システムも存在します。

例えば、製造を行っている会社であれば生産管理システム、営業を行っている会社であれば販売管理システム、ECサイトを運営している会社であれば、在庫管理システムなどが該当します。銀行であれば、勘定系システムと呼ばれる利用者の預貯金情報を管理するシステムが業務系システムとなります。

このように、業務系システムは、ある特定のシステムのことを指すのではなく、企業にとって重要度の高いシステムの総称となっています。

業務系システムのエンジニアが活躍する業界は?

上で見てきた通り、そもそも業務系システムとは、「使えなくなると業務がストップしてしまう」企業の重要システムの総称です。どこの企業にも存在するものです。必然的に業務系システムの保守や開発に関わるエンジニアは、業界を問わず、どこの企業でも活躍できる余地がある、と言えます。

しかし、実態としては、一部の大手企業などを除いた多くの非IT企業は、自社でエンジニアを置かず(置いたとしても数人の“管理者”だけ)、実際の開発作業や保守はIT企業、特にシステムインテグレーター(SIer)とも呼ばれるIT企業に外注することが多いです。

システムインテグレーター業界の方でも、ERPパッケージなど特定分野に強みを持つ会社があったり、金融向けシステムに特化した部署、製造業向けシステムに特化した部署、という風に組織を作るなど、業務系システム開発・保守の外注に対応した体制が整えられています。

そのため、業務系システムを開発するエンジニアは基本的にはIT業界、特にシステムインテグレーション業界に所属している、と考えてください。

業務系システムのエンジニアの年収は?

年収について

繰り返しになりますが、業務系システムという言葉には、様々なシステムが含まれた概念的なものです。

その結果として、業務系システムのエンジニアと一言で言っても、開発しているシステムは人によって様々です。製造系のシステムを作っている人がいれば、交通系のシステムを作っている人もいるでしょう。

同様に開発へのかかわり方も様々です。上流工程を担っている方もいれば、下流工程をメインにしている人もいます。RPAやAIなどを組み込んだ業務系システムも登場しており、こうした最新技術に対応できる人と、そうでない人では当然、年収差が出てしまいます。

また、色々なところで言われていますが、システムインテグレーション業界には、いわゆる多重下請け構造があり、上位企業と下位企業では年収を含めた待遇に大きな差があります。さらに元請け企業でも、その会社の資本構成ごとに、ベンダー系、ユーザー系、独立系という分類が行われますが、ベンダー系、ユーザー系、独立系でやはり待遇面に少なくない差があります。

こうした“考慮事項”が多数あることから、業務系システムの開発に携わっているエンジニアの年収は一概に言えません。

それでも、あえて指摘すると、300万円~450万円、500万円~700万円、1000万円という三つの目安が存在しています。

高い方から見ていくと、まず1000万円ですが、超大型案件でプロジェクトマネージャーやPMOとして業務をしている方や、業務系システム導入に当たり、コンサルタント的な役割を担っている方など、突き抜けた技術力を持つ方は、年収1000万円を超えてきます。

次に、元請けシステムインテグレーターで働くプロパー社員の平均年収の目安が500万円~700万円です。1000万円超えの人には劣るかもしれませんが、それなりの技術力と、クライアント企業の業界知識があり、上流工程に対応できるスキルを持っています。ITエンジニアの中でもシステムエンジニア(SE)と呼ばれるのが、この層の人たちになります。

最後の300万円~450万円というのは、二次請け企業のエンジニアの年収の目安です。あくまでも目安であり、実際はプロパー社員とそれほど変わらない500万円以上の年収を受け取っている方も少なくありません。このレイヤーの方は、元請けシステムインテグレーターのプロパー社員(SE)の下で、プログラマーなどとして働くことが多いです。

業務系システムのエンジニアの将来性は?

業務系システムというカテゴリーは非常に将来性が高いと言えます。

なぜならば、業務系システムは、これまではもちろんのこと、これからも存在し続けるでしょうし、人々の趣味嗜好の変化など、社会情勢に大きな影響を受けるWebサービスよりも、業務系システムはシステム開発のニーズも安定しているためビジネスとして安定しているのです。

また、2025年の壁という話もありますが、企業のデジタル化を求める動きが強まっている中で、業務系システムの更改ニーズも高まっており、仕事に困るということはまず考えられないです。

ただ、システムインテグレーション業界で働くエンジニアに未来はあるのか、という議論がまた別にあるのも確かです。『Web系エンジニア VS. SIerエンジニア 仁義なき戦い』でも書かせていただきましたが、下請け構造ができているシステムインテグレーション業界で“下請けすぎる企業”で働くのはつらい、という話があります。

業務系システムで仕事をしていきたいのであれば、“そこそこ以上のシステムインテグレーター”に勤務する、またはフリーランスとして案件に参加するのがベターです。

まとめ:「業務系システム」はシステムのカテゴリーの名前

繰り返しになりますが、業務系システムという名前のシステムは存在せず、「使えなくなると業務がストップしてしまう」会社にとって重要なシステムの総称です。

業務系システムと、それに関わるエンジニアはニーズが安定しており、業務領域として非常に魅力のあるものになっています。

今すぐシェアしよう!

B!


上部へ戻る