フリーランスとは? 初心者講座 

 フラン健史郎 | 2020/04/27 - 20:53

サラリーマンとして、企業に勤務するエンジニアが多いですが、フリーランスとして活躍するエンジニアも多数存在します。

エンジニアという職種は非常に“フリーランス向き”ですので、将来のキャリアパス・キャリアプランを考える上で、「脱サラしてフリーランスになる」という選択肢はまったく、荒唐無稽ではありません。

とはいえ、フリーランスになるためには、「どのような手続きが必要なの?」と疑問に思っている方は多いと思います。

そこで、今回は、脱サラしてフリーランスになるために必要な手続きについて、お教えいたします。

フリーランスとは?

フリーランスという言葉は、ややバズワードになってしまい、人や文脈によって、微妙に言葉のニュアンスが変わることがあります。一般的には、広義では「給与所得者ではない労働者」、狭義には「個人事業主」と考えて良いかと思います。

普通の労働者(派遣社員を含むサラリーマンやアルバイト、パートなど)の方は、“雇用主”と雇用契約を結んで、雇用主の元で労働を行います。その対価として、雇用主は、労働者に給与を支払います。所得、つまり収入が給与なので、税務用語で“給与所得者”と言われます。

一方で、フリーランスの方も“クライアント”のために仕事をしている、という意味では、給与所得者と同じように見えますが、あくまで、仕事の成果物の納品先は“クライアント”であり、“雇用主”ではありません。

もう少しかみ砕いていうと、フリーランスの方がクライアントと交わす契約は、あくまで「仕事を引き受ける契約」や「いついつまでに〇〇を納品する契約」といった性質のものです。クライアント企業の“従業員”ではなく、あくまで“事業者”として業務の外注契約を受ける、という建付けなのです。

なお、フリーランスは“事業者”である、という前提に立つと、本来は個人事業主として開業届を提出するのが好ましいです。ですが、開業届は提出必須ではありません。サラリーマンと二足の草鞋を履く副業フリーランスの方は、「本業の人間に知られたくない」と、敢えて、開業届を出さない方も多いです。

しかし、しっかりとフリーランスとして働きたいのであれば、開業届の提出は必須です。

開業届出書の提出

という訳で、まずは、開業届出書の提出方法から見ていきたいと思います。

非常にシンプルで、一枚紙(厳密には、提出分と控えの二枚)のフォーマットに、住所や氏名、事業内容などなど必要な情報を記載して、最寄りの税務署に提出するだけです。費用もかかりませんし、提出後、受理の審査などもありません。

詳しくは国税庁のホームページ『[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続』をご覧ください。原紙もリンク先にあります。

なお、開業届を提出するメリットとしては、①屋号を持てる、②青色申告が利用できる、という点が挙げられますが、その詳細については、過去エントリーである『IT個人事業主になる フリーランス・エンジニアへの道』をご覧ください。

青色申告承認申請書の提出

続いて、青色申告承認申請書の提出についても見ていきましょう。

青色申告を使える点こそが、開業届を出すべき理由ではありますが、開業届を出せば誰でも青色申告を出せるわけではなく、開業届とは別に青色申告承認申請書を提出する必要はあります。(開業届と青色申告承認申請書は同時提出でも可です)

こちらも一枚紙のフォーマットに、住所や氏名、事業内容などなど必要な情報を記載の上、最寄りの税務署に提出するだけです。開業届同様に、手続き費用もかかりませんし、提出後、受理の審査などもありません。

詳しくは国税庁のホームページ『[手続名]所得税の青色申告承認申請手続』をご覧ください。原紙もリンク先にあります。

なお、青色申告を利用するメリットとしては、①純損失の繰越控除、②貸倒引当金といった納税額を抑えるテクニックが利用できる、という点が挙げられますが、その詳細については、過去エントリーである『IT個人事業主になる フリーランス・エンジニアへの道』をご覧ください。

国民年金への切り替え

国民年金への切り替え

日本年金機構が管理する公的年金は、その人の属性によって、種別が異なります。

具体的に言えば、日本国内に住んでいて20歳以上60歳未満の方は「第1号被保険者」となりますが、会社で厚生年金に加入している場合は「第2号被保険者」と、別の区分になります。

そして、脱サラしてフリーランスとなった方の扱いですが、退職した時点で、厚生年金の加入者ではなくなるので「第2号被保険者」から「第1号被保険者」へと、区分変更になります。

そして、ここで問題になるのは、会社を退職した時点で自動的に「第2号被保険者」から「第1号被保険者」になるのではなく、被保険者、つまり退職者の方が、自ら行政に対して、「私は第1号被保険者になりました!」と申請する必要があります。

申請方法ですが、住民登録している市区町村役場の年金を担当している窓口に対して、年金手帳や身分証明書、印鑑(認印)など、必要な資料をもって出向く必要があります。地域によって、持参が必要なモノの内容が変わることはないと思いますが、念のため、地元自治体のHPなどで調べてから行くのが良いでしょう。

なお、届け出は退職した日から二週間以内ですが、なるべく早く対応した方が良いです。

ちなみに、私の知っている方の中にも「年金と言えば、年金事務所だ!」と考えて、忙しい中、時間を見つけて年金事務所に行ったところ「区役所に行ってください」と案内されてしまった、という失敗経験のある方がちらほらいます。みなさんは、くれぐれもご注意ください。

国民健康保険への切り替え

サラリーマンの場合、保険証は『社保』ですが、自営業者の場合『国保』となります。

この切り替えも、退職した時点で自動的に行われるのではなく、退職者が自身で手続きをする必要があります。

窓口は国民年金への切り替えと同じで、住民登録している市区町村役場の年金を担当している窓口に対して、身分証明書や印鑑(認印)など、必要な資料をもって出向く必要があります。こちらも、地域によって、必要なモノの内容が変わることはないと思いますが、念のため、地元自治体のHPなどで調べてから行くのが良いでしょう。

まとめ:フリーランスという選択肢も知っておこう

近年、状況は変わりつつあると言えども、勤続年数を評価の主要な指標としている年功序列型の評価体系になっている日本の企業は非常に多いです。エンジニアであれば本来、「本人の技術レベル」で評価されるべきだと思いますが、評価者に十分な能力がないなどの理由で「技術レベルでの評価」に対応できる能力すらない会社も少なくありません。

もっと言えば、年功序列は、生涯その会社で働くことを前提とした制度です。しかし、転職する人も多い世の中となっており、その前提が崩れつつあります。また、東芝やシャープ、日本航空など、日本を代表する大企業であっても、経営危機に陥る時代です。

いずれの会社も潰れはしませんでしたが、経営方針の転換で、ボーナスが大きく減額された、リストラが実施された、といったような話も耳にします。もはや、年功序列は、いつか悪い方向で消滅すると考えた方が良いでしょう。

さらに2020年は新型コロナウィルスによる影響で、多くの企業で業績の悪化が見込まれており、今後、倒産や廃業に至ってしまう企業が増えることが心配されています。尽くした会社に、わずかな一時金だけ渡されて失業してしまう方が、たくさん出てくると考えられます。

こうした時代であるからこそ、安定企業で安定した地位で働きたい、という考え方もあるかと思いますが、「複数のチョイスを持つ」と言いますか、フリーランスという選択肢についても、“可能性の一つ”として、知っておく必要があります。

今すぐシェアしよう!

B!


上部へ戻る