インボイス制度がやってくる! フリーランスエンジニアの対処法をレクチャー

 REDMA | 2019/12/18 - 17:20
目次

    フリーランスの消費税とは?

    フリーランスエンジニアにとっての消費税は、2019年現在では課税売上高が1,000万円以上になると支払いが義務づけられています。

    そしてフリーランスに業務を依頼する企業もフリーランスへの支払いに発生した消費税は、消費税の支払いから差し引いて計算することができます。

    そのためフリーランスエンジニアとして課税売上高が1,000万円を越えない限り、消費税は特別意識する必要性がなかった税金ともいえます。

    実際に消費税が上がれば、企業による支払いに消費税も含まれるため受け取る金額が増える案件も珍しくありません。

    実際にフリーランスエンジニアとして活動していて、消費税が上がったことによる痛みはあまり感じていない人の方が多いのではないでしょうか。

    参考として国税庁のホームページでは「納税義務の免除」として消費税の納税義務が免除される条件が提示されています。

    フリーランスエンジニアなどの個人事業主の場合は、前年度ではなく前々年度の課税売上高が関係してくるところが注意点です。

    参考:国税庁「納税義務の免除」

    インボイス制度とは何か?

    前述の通りこれまで消費税はフリーランスエンジニアなどの個人事業主にとっては、課税売上高が1,000万円を超えた場合に限り関係してくるものでした。

    しかしインボイス制度が開始すればその状況は一変します。

    インボイス制度が開始されたら仕入税額控除の要件を満たすための要件がこれまでとは大きく変わるからです。

    インボイス制度の開始は2023年10月1日。

    ではインボイス制度が始まることによって具体的に何が変わるのでしょうか。

    その内容について見ていきましょう。

    免税事業者への消費税の支払いが仕入税額控除の要件外となる

    インボイス制度がスタートしていない2019年現在では、企業はフリーランスエンジニアなど個人事業主へ支払った消費税も法人に支払った消費税も、そのどちらも仕入税額控除として計上することができます。

    そのため企業は企業への発注もフリーランスへの発注も同じように仕入税額控除をすることができました。

    ところがインボイス制度がスタートすれば、企業が仕入税額控除として計上できるのは企業など課税事業者との取引のみとなります。

    企業が免税事業者であるフリーランスに支払いを行った場合、消費税が仕入税額控除として計上できなくなるのです。

    そうなった時に影響が考えられるのが、企業によるフリーランスへの仕事の依頼の躊躇です。

    企業は利益を確保するため、消費税を仕入税額控除できる課税事業者との取引を優先することが予想できます。

    免税事業者としてフリーランスで活動している場合、受注できる仕事が減る可能性が出てくるいえるでしょう。

    もちろん抜きん出た才能があれば、免税事業者でも良質な案件を受注できる可能性はあります。

    しかしフリーランスエンジニアとして案件の受注のしやすさを考えるなら、消費税の課税事業者になることへの検討も大切です。

    課税事業者になるために必要な取組

    では免税事業者であるフリーランスが課税事業者になるためには必要な取組があります。

    それは「適格請求書発行事業者の登録申請書」と「消費税課税事業者申告届出書」を提出することです。

    「適格請求書発行事業者の登録申請書」とは課税事業者になるための申請書です。

    そして消費税課税事業者申告届出書とは、免税事業者が消費税の課税事業者になるための届出書です。

    フリーランスであり免税事業者である場合は適格請求書発行事業者の登録申請書と消費税課税事業者申告届出書、それぞれの提出が必要となります。

    適格請求書発行事業者の申請時期について

    適格請求書発行事業者の登録申請は制度がはじまる2021年10月から申請できることが決まっています。

    フリーランスとして2023年以降も活動の継続を考えているなら、制度がはじまる2023年10月よりも前に適格請求書発行事業者としての登録を検討しましょう。

    インボイス制度によって予想される負担と問題

    インボイス制度によって予想される負担と問題

    インボイス制度が始まった時にフリーランスエンジニアに予想される負担と問題は二つあります。

    一つ目の問題は先に述べた通り免税事業者であるフリーランスエンジニアに発注した取引先企業が仕入税額控除を適用できないことです。

    仕入税額控除ができなければその金額は企業にとって損失となります。

    そうなると他の仕入税額控除ができる企業やフリーランスエンジニアに仕事を依頼する企業が増えることが予想できます。

    企業は仕入税額控除ができないフリーランスに業務を依頼するよりも、企業に依頼した方が有利になるからです。

    これはつまり免税事業者のフリーランスエンジニアはインボイス制度がはじまることで、受注できる仕事量が減る可能性が考えられます。

    二つ目の問題は元々の免税事業者がフリーランスとしてインボイス制度対応のために消費税課税事業者となった場合、課税売上高が1,000万円以下でも消費税の納税義務が発生することです。

    仕入税額控除が適用される事業者となって、企業との取引がある程度確保できたとしても消費税課税事業者となれば、消費税の支払いが義務化されます。

    仮に年間課税売上が600万円程度でも、消費税の支払いが発生することになります。

    免税事業者であればこれまでは消費税も売上とすることができたわけですが、消費税の支払いが必要となった場合は消費税分の売上が下がることになります。

    また消費税支払いのために経費計算も煩雑になるという負担も発生します。

    このような問題があることからフリーランスとして免税事業者である場合、消費税課税事業者になるのかどうかは慎重に判断すべきだといえるでしょう。

    参考:国税庁「適格請求書等保存方式の導入について」

    インボイス制度のために今から準備できること

    フリーランスとしてインボイス制度のために今からできることの一つは、ある程度売上を確保できる状況をつくることです。

    課税売上高が1,000万円を超える状況をつくることができれば消費税課税事業者となるため、インボイス制度対応における「消費税課税事業者申告届出書」の提出が不要となり必要な手続きが少なくなります。

    また一定の売上が確保できるなら一人社長として法人化してしまうという選択もあります。

    そして消費税課税事業者となった場合は経費計算が煩雑になるため、経費管理が簡単になるツールや会計ソフトの導入も検討することが大切です。

    もしくは自分で取り組んでいる経費の管理を税理士に任せるという判断も有用です。

    フリーランスは経理担当が常駐する企業とは異なり、経費管理も自分自身で取組むことが一般的だからです。

    会計ソフトの操作についても今から慣れておけば、インボイス制度開始後の経理業務の負担を減らせることが期待できます。

    【まとめ】フリーランスエンジニアはインボイス制度がはじまる2023年10月までに方向性を決めておこう

    ここまで紹介してきたようにインボイス制度がスタートするのは2023年10月ですが、その時期を迎えるまでにどのように活動するのかを決めておくことが大切です。

    免税事業者からインボイス制度対応として消費税課税事業者になるためには、書類の申請など前もって準備することが必要になるからです。

    また2023年10月が近くなれば既存の取引先からはフリーランスとして課税事業者になるのかどうか、確認が入ることが予想できます。

    免税事業者だったとしても引き続き依頼を継続してもらえるのかどうか、既存の取引先とコミュニケーションをとっておくことも大切です。

    こういった納税制度への対応を示すことはフリーランス・個人事業主としての信頼にもつながるからです。

    免税事業者のままの方がいいのか、消費税課税事業者になった方がいいのかは取引先の意向や年間売上高など個々の状況によって異なります。

    インボイス制度への対応はできるだけ早い段階から検討して、最適な判断ができるように準備することをおすすめします。

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