スキルシートとは職務経歴書以上に、エンジニアとしての経験や実績を細かく書き出す書類です。
職務経歴書は基本的に人事部門の採用担当者が見ることを前提に作成します。
そのため携わってきた開発環境などの概要は記載しますが、具体的に書くのはアピールポイントのみで、エンジニアとしての経験を詳細に書くものではありません。
その一方でスキルシートは、開発部門の課長などエンジニアが目を通す媒体です。そのため職務経歴書とは違ってこれまで具体的にどのような案件に携わり何をしてきたのか、記載することが求められます。
主に人事部の担当者がチェックする職務経歴書では、エンジニアとしてのテクニカルな内容については理解できないことが多いですが、スキルシートではそういった配慮は不要となります。
ではこのようなスキルシートは何のために提出が求められるのでしょうか。それは企業と求職者のミスマッチを防ぐためです。
概要だけだと「これはできて当然」と企業側が思い込んでしまう、もしくは「このタスクは難なくできるだろう」と企業側が考えてしまい、実際に案件対応が始まってから、ミスマッチが発覚するケースは珍しくありません。
もちろん面接のやりとりでも細かいチェックは入りますが、それでも細かい部分のすべてを確認できるわけではありません。
そのためスキルシートは企業にとっても、フリーのエンジニアが自分に合った企業を見つけるためにも欠かせない書類だといえるでしょう。
スキルシートの書き方ひとつで年収が数十万円変わるということもあり得るので、スキルシートに何を書くか・どういう書き方をするかといった部分に関しては、しっかりとマスターしておきましょう。
プログラマーやSE(システムエンジニア)向けのスキルシートを例に、項目ごとに説明します。
スキルシート(職務経歴書)は下記リンクから無料でダウンロード可能です。
氏名、最寄駅、資格、所属、性別、年齢、学歴を記載します。
所属にはフリーランスの場合、「個人事業主」と記載するようにします。
スキルや経験からは人柄を知ることはできないので、自分の性格や強み、仕事で心掛けていることを自己PRの欄に記載しましょう。
参画したプロジェクトを新しいものから順に記載します。
業務内容には、担当した分野や習得したスキル、プロダクトへの貢献度などをできるだけ具体的に記載しましょう。
「担当工程」は●を記載し、担当した工程がひと目で分かるようにします。
フリーランスエンジニアとしてスキルシートを作成する際は、内容についてはオリジナルなものが求められる一方で、書き方には基本的なルールがあります。
ではフリーランスエンジニアがスキルシートを書く際には、どのようなことに注意すれば採用担当者に響くスキルシートとなるのでしょうか。その書き方の基本を順番に見ていきましょう。
スキルシートは、客観的に見てわかる情報を採用担当者の方に伝える手段です。ですので、わかりやすくするために簡潔に見やすく書くことが基本です。
箇条書きや体言止め(言い切り)を使ってできるだけ無駄な記述は省きましょう。
スキルシートは基本的に、2~3枚程度、多くても3~4枚程度におさめます。
分量が多すぎると読み手の負担になるので、簡潔にまとめるように意識しましょう。
履歴書は手書きで作成することがありますが、スキルシートは一般的にPCで作成します。是非、下記FMをダウンロードし、活用してください。
スキルシートは、例え退職した会社のことであったとしても、守秘義務は守りましょう。企業名を開示できない場合は、「大手自動車メーカー」など、具体的な名称は伏せることが大切です。その他機密事項として定められている情報がある場合も、詳細の記述は厳禁です。
スキルシートはプロジェクトごとに区切りをつけて、マシン、OS、DB、言語、ツール、担当業務など項目ごとに記載するのが基本です。フォーマットは自由ですが、表を使った方が見やすくなるので、できるだけ見やすさを重視して項目は設定しましょう。
スキルシートを少しでも見やすくするために、誤字脱字の修正はもちろん、改行や表の幅など、レイアウトを丁寧に調整することが大切です。
スキルシートは何ができるのかのみではなく、何をどのようにしてきたのか、過去の実績を整理して記載するものです。「期間」「業務内容」「スキル」はもちろんのこと、何人のチームだったのか、どのような役割だったのか、また具体的にどのような開発環境だったのか、長くなり過ぎない程度で、具体的に書くことがポイントです。
関わった案件が多ければスキルシートは長くなりがちですが、多くてもA4用紙4枚以下に抑えておくことをオススメします。
スキルシートはただ自分のエンジニアとしての技術と経験をまとめるだけではいけません。前提として、応募するプロジェクトが求めるスキルに合わせることを考えなければいけません。
最近増えてきているWeb系案件の場合、開発環境や習得言語が選考の重要な見極めポイントのひとつとなります。
その一方でプロジェクトマネージャーなどマネジメントスキルが求められる案件にエントリーするなら、これまでのマネジメント業務での工夫や、役割を書くことが必要になります。
これらは一例ですがフリーのエンジニアのスキルシートは、応募するプロジェクトが求めるスキルを考慮しながら作成することが大切です。
スキルシート作成においては開発、設計について記述する際も、具体的な内容が求められます。とくにフリーのエンジニアとしてスキルシートを作成するなら、開発、設計の箇所は重要です。
フレームワークの利用、設計方法、担当した機能、そして担当した案件が新規開発だったのか、それともシステム改修だったのか等、開発/設計については詳細に記載しておきましょう。
読むだけで担当者が開発環境のイメージができる内容を目指すことをオススメします。
履歴書では、一般的に年号を平成や令和などの和暦で記載しますが、スキルシートでは西暦を用いることが一般的です。
これといった理由がない場合は、西暦で記載するようにしましょう。
スキルシートを書く際は、どこが評価されやすいのか理解しておくことも大切です。
採用担当者が見ているポイントはつ2つありますが、それは以下の通りです。
これは応募者が多い案件であるほど、見られるポイントとなります。人手不足でフリーランスエンジニアを急募している場合、書類選考はそこまで厳しくはなりませんが、基本的に採用担当者はこの二つのポイントを重視して見ています。
スキルシートにまったく異なる分野で、短期間のプロジェクトが並んでいると、キャリアとしては一貫性がある印象にはなりません。またジョブホッパーのような印象を持たれてしまうリスクがあります。
さらに強みについても、色んなことを書きすぎると何が強みなのか分からなくなってしまうので注意が必要です。
スキルシートを作成する際は、これらのことを考慮してプロジェクトが求めているスキルに関連したものに絞って具体的に書くなど、見せ方を工夫することも大切です。
ここまで主にフリーのエンジニアがスキルシートを書く際のポイントについて紹介してきましたが、最も大切なことは案件で求められている経験と技術を把握することです。
これを押さえていなければ、どれだけ綺麗に経歴を整えても、採用担当者に響くスキルシートにはなりません。
スキルシートは基本的な部分は共通でも構いませんが、エントリーする案件によって内容を変えていくことが基本です。
フリーのエンジニアとしてこれからスキルシートを作成するなら、まずは雛形とするスキルシートを作成しましょう。
そして雛形を元にして、エントリーする案件に合わせた内容に加工すれば、採用担当者に響きやすいスキルシートに近づきます。