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緊急事態宣言を乗り越えろ!フリーランスの持続化給付金を徹底解説

2021.03.30

フラン健史郎

福利厚生

目次

    新型コロナウイルスパンデミックに伴う緊急事態宣言で、元から影響のあった観光業や小売業以外の会社でも、人員整理が行われる事態になっています。

    結果として、サラリーマンでも自宅待機や解雇という状況になっています。ただ、サラリーマンの場合、手取りは減るものの、自宅待機中なら給与が支払われます。解雇されたとしても、失業手当を受け取れるので、収入がゼロになることはありません。

    しかし、個人事業主(フリーランス)の方は、クライアントから受けている契約が終了すると、本当に収入が入ってこなくなります。ひょっとしなくても、路頭に迷う方が出てくるでしょう。

    そこで、こうした個人事業主(フリーランス)の救済策として導入されたのが、「持続化給付金」です。筆者自身一人のフリーランスエンジニアですので、この新たな給付金について、個人的に調べてみたのですが、みなさんとも知識をシェアしたいと思い、投稿させて頂きました。

    持続化給付金とは? 概要説明

    まずは新たな給付金である「持続化給付金」について、見ていきましょう。

    経済産業省が発表した「持続化給付金」は、新型コロナウイルスの影響で経営にダメージを受けている中小企業、個人事業主に向けて、ビジネス継続支援のために設立する給付金です。概要は下記の図をご覧ください。

    引用:新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ(経済産業省)

    なお、この持続化給付金は、まだ支給が決まった訳ではありません。7日に閣議決定しただけです。小学校の社会科の復習になりますが、閣議決定は、あくまで「内閣として持続化給付金を支払いたい」と決めただけでしかありません。

    実際に持続化給付金の支給を始めるためには、給付金の財源や支給のルールをまとめ“令和2年度補正予算”として、国会で認められて成立する必要があります。状況が状況ですので、速やかな国会通過が求められますが、国会審議中に、野党などの批判を受けて、内容の修正が行われる可能性もあります。

    追記

    途中で閣議決定されたものが、内容の見直しがされるなどありましたが、ついに、申請した国民全員への現金10万円の一律給付や、中小企業や個人事業主(フリーランス)への持続化給付金を含んだ、“令和2年度補正予算”が2020年4月30日に可決しました。

    さらに、各地の民間金融機関が実質無利子無担保の融資ができるように、あるいは、政府系金融機関が「危機対応融資」と呼ばれる特別な貸し付け制度を実施するためのお金も積まれました。

    ちなみに、今回成立した補正予算の総額は25兆6914億円と非常に大規模ですが、そのすべて公債金、つまり国債で賄われます。もちろん、現時点では増税の予定はありませんが、今後、気になるところです。

    給付金を受け取れる人の基準・支給額

    “持続化給付金”をもらえる人の基準(要件)と金額は4月7日の閣議決定と概ね変わらず、「売上が前年同月比(1〜12月、いずれの月でもOK)で50%以上減少していて、今後も事業継続意思があること」です。

    非常に単純明快な基準ですね。ひとつ気になるのは閣議決定された内容では、「売り上げが減少した理由が新型コロナのせいだ」と因果関係を証明する必要はないようです。

    前年の売り上げと比べて、なので、2019年以前から事業により事業収入(売上)を得ていることが前提になります。また、“持続化給付金”は事業を持続させたい人のためのものであり、受け取るだけ受け取って、廃業するのも駄目です。

    なお、勘違いのないようにお伝えしますが、開業届を出していなかったフリーランスの方は、“事業主”ではないので、“持続化給付金”の受給資格がありません。

    また、日本政策金融公庫でも、「新型コロナウイルス感染症特別貸付」や「新型コロナウイルス感染症にかかる衛生環境激変特別貸付」という”最近1ヵ月(最近3ヵ月)の売上高が前年または前々年の同期と比較して10%(5%)以上減少していること“が条件の融資枠ができましたが、審査が厳しく、申し込みに対して、実際に融資される割合は、非常に少ないようです。20%未満という報道もあります。

    もちろん、金融機関である日本政策金融公庫は、返済できるかどうかを相当に重視して審査しており、“持続化給付金”の給付審査とは、基準が異なるのは間違いありません。しかし、ふたを開けたら、届けるべき人に届かない(でも、ペーパーカンパニーみたいな会社が受け取っている)、という事態にならないか、もやもやしています。

    申請方法と準備・用意するもの

    ここでは、実際に“持続化給付金”を受け取る方法をご紹介いたします。

    まず、申し込み方法ですが、Web申し込みのみとなっています。全国の商工会議所などが窓口になる、という事前情報もありましたが、新たな新型コロナウイルスのクラスターが発生するのを防ぐため、Web申請だけになったようです。

    そして、売り上げの現状を証明するものとして「収受日付印が押されている2019年分の確定申告書第一表の控え(青色申告・白色申告共通)」と「売上台帳や帳面など、2020年の確定申告時の根拠となる月収入を証明するもの」となっています。どうしても売り上げ台帳や帳面など公式な書類が用意できない場合、他の書類でも良いことになっています。

    他に必要なものとしては、運転免許証や個人番号カードなど、顔写真付きの本人確認のための書類、そして、給付金の振込先となる銀行口座情報ですが、場合によっては、事務局から追加で必要書類を請求される可能性があります。

    他の救済措置

    経済産業省から『新型コロナウイルス感染症で 影響を受ける事業者の皆様へ』というパンフレットが配布されています。

    そこから、個人事業主(フリーランス)の方々に注目していただきたい制度や仕組みをご紹介いたします。

    ①JAPANブランド育成支援等事業

    その名の通り、地域の名産品やサービスを海外のECサイトなど販路拡大に努めている企業に対して補助金を支給する制度です。主にモノ作りを行っている会社のための制度と思われがちですが、市場調査や商品のプロモーション活動等の支援を行う事業者にも補助金が支給されることになっています。

    クラウドファンディングサイトへの掲載支援などが具体例として紹介されていますが、ITの力で、地域の他の企業と一緒にJAPANブランドの発展に貢献する、ITフリーランスの方が出てくれば良いな、と思います。

    ②小規模企業共済制度の特例緊急経営安定貸付等

    小規模企業共済制度は、国の機関である中小機構が主催する、個人事業主や中小企業の経営者の“退職金”を作るための積立基金です。小規模企業共済制度に加入している方であれば、掛金の総額の7~9割の範囲内(最大2000万円)で、無利子の融資を受けることができます。

    フリーランスエンジニア 現場の声

    持続化給付金について、現場のフリーランスエンジニアの意見を聞いていくと、賛否両論というと少し語弊がありますが、喜びムード一色という訳ではありません。

    もちろん、返済する必要のないお金が支給されることに、みなさん感謝しています。

    しかし、「持続化給付金は結局のところ、一時金でしかない。一時金が支払われても、コロナ患者が減らないと経済が回復するわけではない」とか、「持続化給付金で受け取ったお金も尽きたら、路頭に迷うことになるかも」とあきらめ顔の方がいました。

    このように、持続化給付金をもらったからといって、先の展望が開ける訳ではないと感じている方が多数です。

    一時金の支払いと同時に、“新型コロナが当たり前の社会”でも仕事ができるような環境作りをして欲しいだとか、今後の見通しを教えてほしいなど、持続化給付金の配布以外のところも頑張って欲しい、という声が多く聞かれました。

    まとめ:明けない夜はないと信じて頑張ろう!

    数日前に、リモートワークサービスを提供する企業のエンジニアと打ち合わせがあったのですが、その方も、疲労困憊した顔で「寝る暇がない」とこぼしていました。

    そのため、「不景気なのだろうけど、メディアが大げさに伝えているだけなんじゃないの?」くらいに感じていたのが実情です。持続化給付金支給の決定で、現場のフリーランスエンジニアの間にも大きな波紋が広がるとはまったく思っていませんでした。

    今回の一件で強く感じたのは、エンジニアは本当に「生きるも死ぬもスキル次第」だという点です。たまたま、私はネットワークインフラにいてのスキルを持っていたので、コロナ不況の影響を受けないどころか、引っ張りだこになっています。

    様々なスキルを持っている方であれば、様々な社会情勢でも生き残れるのでしょう。エンジニアの方々は、改めて、自分のスキルセットについて、見直してみる良い機会なのかもしれません。

    また、現場のフリーランスの中には「一時金だけをもらっても」という意見がありますが、そうした不安な気持ちを“飼い慣らす”ことも重要です。不安な気持ちを忘れることは難しいです。ですが、その不安な気持ちを力に変える、前に進む原動力へと変換することは可能です。

    もはや精神論でしかないですが、このような厳しい状況だからこそ、気持ちを強く持って、日々を大切に、毎日できることを行っていきましょう。

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