Salesforceの資格を徹底解説 難易度は高いのか?

 フラン健史郎 | 2020/11/14 - 20:19
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    2018年現在、世界でもっとシェアの高い顧客関係管理(CRM)システムであるSalesforce。実は、Salesforceでは、ユーザーや開発者を対象にした資格試験を実施しています。今回は、そんなSalesforceの資格をご紹介したいと思います。

    そもそもSalesforceってなに?

    ところで、みなさんSalesforceを使ったことはありますでしょうか? CRMシステム自体、あまりITエンジニアがユーザーとして利用するものではないので「名前くらいは知っているけれど、使ったことはない」という方のほうが多いように思います。

    CRMシステムとは、簡単にいうと商談や案件の状況や顧客の行動原理などを分析し、よりよい営業活動に結びつけようとするためのシステムです。このような、CRMシステム自体は目新しいものではないですが、Salesforceはある重要な革命を起こしたことで、2018年、世界でもっともシェア率の高いCRMシステムとなっています。

    Salesforceが起こした革命とは、クラウドサービスサービス(Software as a Service、いわゆるSaaS)の登場です。クラウドサービスといえば、AWSこと、Amazon Web Serviceが有名ですが、世界初のクラウドサービスはSalesforceだと言われています。

    クラウドであるSalesforceは、月額制となっており、導入コストが低く抑えられ、さらに利用企業側で独自の機能を開発し、拡張することができるメリットがあります。他の企業からもSalesforceと同じようなメリットを持つクラウド型CRMシステムが登場していますが、先行者利益もあり、Salesforceの一人勝ちと言える状態になっています。

    Salesforceの資格には大きく4つの分類がある

    さて、Salesforceの資格についで話を戻しましょう。現在、Salesforceの資格は公式サイトに従うと大きく分けて次の通り4つの分類があります。

    • CRM管理者/コンサルタント:Salesforce製品の導入や設定など管理者のための資格試験
    • 開発者/アーキテクト:Salesforceの機能開発者のための資格試験
    • Einstein Analytics:「Einstein Analytics」とはSalesforceのAIサービスのことで、AIを使ったデータサイエンティストのための資格試験
    • マーケター/コンサルタント:PardotというBusiness to Business (BtoB、B2B)用製品など、サービスを活用者するメンバーのための資格試験

    ITエンジニア向けの資格という意味では「開発者/アーキテクト」の分類に属する「認定Platformデベロッパー」や「認定Platformアプリケーションビルダー」あたりが順当な候補になりますが、所属する会社や組織の業務範囲などによっては「CRM管理者」や「Einstein Analytics」の分類に属するものを受けた方が良いこともあるでしょう。

    なお、Salesforceの資格試験には“格付け”があり「基本資格」とされているものは、誰でも受けられますが、「上位資格」は特定の「基本資格」に合格していることが前提になります。

    もう一つ補足すると、定められた資格試験の組み合わせを合格した方は、「認定アプリケーションアーキテクト」「認定システムアーキテクト」という称号が与えられます。さらに、「認定アプリケーションアーキテクト」「認定システムアーキテクト」の両方の称号を得た方は「認定テクニカルアーキテクト」というさらに上位の称号が与えられます。どの試験を合格すれば良いかは「Salesforceアーキテクトジャーニー」という名前で体系化されています。

    「認定テクニカルアーキテクト」の人数ですが、2019年7月時点では、全世界で約240名、日本では13名しかいないそうです。

    Salesforceの資格を取得する難易度は?

    他の会社が実施するベンダー試験にも言えることですが、Salesforceの資格試験は、Salesforceユーザー、開発者をターゲットにしているものです。実務経験のない方にとっては、用語がわからず、なにを問われているのかもわからない、という事態になりがちです。

    実際、Salesforceの公式ドキュメントでも、各「基本資格」を受ける方には“1年から2年の業務経験があること”と“出題範囲になる製品やサービス、開発言語の経験があること”、各「上位資格」を受ける方には“2年から4年の業務経験があること”と“出題範囲になる製品やサービス、開発言語の経験があること”が望ましいとされています。

    人によって、業務経験の“密度”が異なるので、必ず2年程度の業務経験で取れるわけではないと思いますが、「基本資格」は情報処理試験で言うところの基本情報技術者試験のようなもので、「3年仕事をしていて、通らないのは才能がない」と言われるレベルの試験と考えて良いかと思います。

    対して、「上位資格」ですが、“2年から4年の業務経験があること”ですが、「基本資格」より専門性も高まるため、「基本資格」よりもだいぶと難易度が上がるようです。

    Salesforceの資格を取得するための効率的な勉強方法について

    勉強方法

    Salesforceの資格試験勉強をするうえで、一番の問題になるのは、試験対策用の参考書や問題集の類が極端に少ないという点です。少なくとも書籍は存在しないように思います。

    書籍がない以上、周りの受験経験者やインターネットで、どういう問題が出たのか、なにを問われるのか情報収集するしかありません。しかも、そのような“口コミ”レベルの情報もあまり多くありません。学習プランが立てにくい、という意味で非常に勉強が難しい資格試験と言えるでしょう。

    「ネットで調べたけれど、よくわからなかったし、周りに相談できる人もいない」という方は、“一度、ダメ元で受けてみる”のも手のように思います。

    問題を解くというよりも、どういう問題が出てきたのか、どんな用語が使われていたのかを確認することで、なにを勉強すれば良いか方向性が見えてくるはずです。それから本格的な学習を始めるのもアリです。確かに受験料が無駄になってしまいますが、間違った口コミから、出題範囲や傾向を見誤った状態で学習するよりも効率が良いでしょう。

    実際の学習ですが、Salesforceの資格試験は、基本的には“実技”だそうなので、実際に製品を操作してみることが重要です。わざわざ個人で契約したいものではないかもしれませんが、業務の中だけでは不十分だと感じた場合は、無償トライアルを活用するなどして、触れる機会を増やすようにしましょう。

    Salesforceの資格の価値は?メリットはあるの?

    結局、Salesforceの資格を取る意味があるの?というところですが、Salesforceのシェアが海外でも日本国内でも非常に高いことから、資格としての価値は高いと言えるでしょう。また資格を持っていることで、顧客から信頼されやすいというメリットもあります。

    ITエンジニアの転職市場においても、Salesforce専門、専門とまではいかなくても得意とする開発会社(ソフトウェアハウス)が増えており、「基本資格」一つでも強力な武器になることが予想されます。

    ただ、まだまだ国内の転職市場では「Salesforceの資格必須」というところは少ないように思います。一般化していないからこそ、他人と差別化できるという考え方もあると思いますが、CiscoやOracleなど他のベンダーが行っている資格試験の方が、転職市場での価値は高いのかな、というのが率直な印象です。

    ちなみに、Salesforceによると世界でも240人ほどしかいない認定テクニカルアーキテクトの平均年収は約15万ドル(日本円にすると約1600万円)とのことですから、確かに高年収を狙える資格と言えるでしょう。

    まとめ:Salesforceに触れていない人には難しい

    繰り返しになりますが、ベンダーが行う資格試験は、そのベンダー製品を扱っていない方にとっては、難しいものになります。これはSalesforceにも当てはまるものです。しかも、Salesforceの資格試験はマイナーではないのに、イマイチ、情報量が少ないという変わった特徴があります。

    数年の実務経験があり、周りにすでに受けた方がいる“恵まれた”環境であれば「基本資格」レベルであれば、それほど苦労しないと思われます。しかし、独学で合格を目指す方など“恵まれていない”環境だと、非常に苦労する資格試験です。

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