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データサイエンティストの将来性 現状から踏まえ検証してみる

2020.11.14

フラン健史郎

データサイエンティスト

目次

    データサイエンティストとは?

    2000年以降、非常に注目を集めている職種の一つである、データサイエンティスト。今回はこの職種の現状と将来性を見ていきたいと思います。

    まずは、データサイエンティストの業務内容について確認しましょう。一般的に、データサイエンティスト職に対して求められる役割は、人々の購買傾向や行動パターンを分析し、商品やサービスの改善・新規開発につなげる“トレンドスポッター”であることです。

    この期待に応えられるようになるには、ビックデータを統計的に処理する統計学の知識はもちろん、データを処理するためのシステム・プログラミング作成能力が必要になることもあります。システム・プログラミング作成はITエンジニアの業務ですから、ITエンジニア出身のデータサイエンティストが非常に多いです。

    実際のデータサイエンティストの仕事の進め方ですが、概ね「①要件を決める」「②実際のデータ分析を行う」「③結果を報告する」の3STEPだと言えます。

     “どんなシステムを開発したいか”が“どんなデータ分析が必要なのか”に、“プログラミングを書く”という作業が“統計処理を行う”という作業に、最終成果物が“ソースコード”から“報告書”に変わりますが、基本的にはシステム開発の進め方と同じですね。

    なお、データサイエンティストという職種は比較的歴史が浅いこともあり、肩書としてはない企業も少なくありません。しかし、データサイエンティストがいないわけではなく、例えば“分析官”という肩書きのメンバーがデータ分析を行っているパターンもあります。

    また、いわゆるコンサルタントが、企業分析の手段としてデータサイエンティスト的なスキルを持っていることも多いです。

    データサイエンティストの現状 給与から業界の動向まで検証

    上でも触れましたが、所属企業での肩書はデータサイエンティスト以外ではあるものの、データサイエンティストとして必要なスキルを持つ方は少なくありません。その一方で、データサイエンティスト求人と言いながら、実際はデータサイエンティストが利用するツールを開発するための、システムエンジニアを募集している転職サイトが少なくありません。影響力のあるキーワードですので、悪用というと語弊がありますが、過大に使われがちです。

    上記のような理由もあり、データサイエンティストという職種は転職市場で“ふわっとした存在”です。そのため、どこまでの人材をデータサイエンティストと表現するかで、給与の平均値も変わってしまうので、敢えて、データサイエンティストの平均年収は〇〇万円とはここでは言いません。

    ただし、転職後年収について、データサイエンティスト経験者は概ね、700万円~800万円、データサイエンティストとしての経験はないが、関連するITスキルを持つエンジニアは400万円前後となる、と紹介する転職サイトが多いように思います。

    なお、データサイエンティストの単価が高い理由としては、単純に需要に対して供給が足りていない、という点に尽きるかと思います。データサイエンティストに求められる統計学の知識を要素分解すると、大学数学レベルの知識が必要になります。

    さらに近年、ビックデータを解析するツールとして機械学習、つまりAI(人工知能)が一般的になりました。そのため、AIエンジニア的なスキルも重要になってきています。

    これだけでも、データサイエンティストという仕事の高度さがお分かりいただけるかと思いますが、さらに、データ分析した結果を資料にまとめ、正しく依頼元に伝え、改善プランを提案するというコンサルタント的な役割も果たす必要があります。

    つまり、大学数学レベルの知識を持って統計学について理解している、AIエンジニア的なスキルを持っている、コンサルタントのように業務改善のための提言・提案ができる、この三つの要素を持った人でないと、真のデータサイエンティストとは言えません。このような人材は非常に希少です。

    なお、業種という意味では、従前はスマホゲーム業界を含めたWeb系からのニーズが高い傾向にありました。しかし、データサイエンティストの需要は高まっており、現在はリテールやインフラ事業者、金融、製造業、Web系以外のベンチャー企業など、業種を問わず、様々な企業で人材確保に動いている状況です。

    データサイエンティストの将来性 給与から業界の動向まで検証

    給与から業界の動向まで検証

    最後にデータサイエンティストの将来性について検証しましょう。

    実は、データサイエンティストについて“需要が拡大する”という意見があると同時に、“将来的には、需要は縮小する”という意見も存在しています。

    「今後、IoTの発達で、デジタル化社会へとさらに進んでいくだろうから、データサイエンティストの需要は拡大する一方では? 実際、様々な企業がデータサイエンティスト募集しているじゃない」と考えている方が多いと思います。

    実際、その認識は正しいです。アメリカの調査委会社ガートナーが2013年に公表した調査資料によると、将来的に日本では25万人不足するそうです。

    対応策として、例えば、いくつかの団体・企業が実施している、データサイエンティスト養成講座が、経済産業省の「第四次産業革命スキル習得講座」や厚生労働省の「教育訓練給付制度」に認定するなど、日本国としてもデータサイエンティストを増やそうとしています。

    ただし、科学技術の発達も忘れてはいけません。大手IT企業のオラクルのリリースした特集サイト、その名も『データ・サイエンティストのブームは終焉を迎えるのか?』にある通り、新たな可視化ソフトの登場で、“実際のデータ分析を行うハードル”が下がりつつあります。

    筆者自身、特集サイトで紹介されている「Oracle Big Data Discovery」の操作方法をセミナーで見たことがあるのですが、画面をポチポチ操作していくだけで、求めるデータを抽出し、相応しいグラフの作成までできる非常に便利なソフトです。高度な数学の知識は必要ないです。統計学の知識も「なぜ、この値が出てきたのか?」を理解するためには必要でしょうけれど、利用上、必須というわけではありません。

    さらに、この手の可視化ソフトにAI機能が搭載されれば、おそらく、こういうデータ分析したら役に立ちそうだな、と思う前に、AIが役立ちそうなデータ分析結果を作成するようになるのでしょう。

    もちろん、明日、明後日でそこまで技術が進化するわけではありません。ただ、データサイエンティストになるべく高度な専門教育を受けていない人でなくても、データサイエンティストのようにデータ分析できるような仕組みを作ろうとする動きは確かにあります。

    なぜならば、データサイエンティスト向けの高度な専門教育を受けずともデータサイエンティスト並みのデータ分析ができる世の中になれば、「統計分析に詳しいけれど、人事制度について詳しくないデータサイエンティスト」よりも「データサイエンティストライクなデータ分析ができる、人事制度のプロフェッショナル」に自社の人事問題の分析と改善策を作ってもらった方が良い、と考える経営層も少なくないのです。

    そして、その延長線上として、データサイエンティストが行っていたようなデータ分析の一部が一般社員に求められる時代になるかもしれません。

    今後、5年~10年で劇的な変化が起きるとも思いませんが、この10年、20年で注目されるようになった職種だけに、今後、新たな展開が起きてもおかしくない職種です。

    まとめ:データサイエンティストの未来は暗中模索?

    繰り返しになりますが、データサイエンティストという職種は、世の中がデジタル化社会へと変化していく中で注目されるようになった職種です。社会のデジタル化は今なお継続中であり、今後、どういった展開になるか、先が見通せない、というのが正直な所感です。

    ただし、データ分析を行って、その結果からアクションを考える能力が、今後、重視されるのは間違いありません。データサイエンティストにならない(なれない)としても、データサイエンティスト的なスキルを身に着けるのは有意義なことだと思います。

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