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SESの闇 事例を挙げて考察してみる

2019.11.11

フラン健史郎

働き方

目次

    SESについてインターネットについて調べると、悪い評判や噂が検索上位にいくつも出てくるかと思います。近年は良い評判も増えているとは思いますが、SESはクソだ、という趣旨のサイトの方が、やはり多数派だと思います。

    火がないところに煙は立たない、という言葉がありますが、SESへの批判的意見についても肯定的な意見についても、やはり、根拠となるエピソードがあるのは間違いありません。そこで、実際に、私が見聞きしたSESの闇エピソードをご紹介したいと思います。

    SESの闇案件 事例1 デスマーチによるクライアントの狂暴化

    これは数年前にデスマーチに参加していた人(仮にAさんと呼びましょう)から聞いたお話です。

    デスマーチ案件の真の恐怖は、雪だるま式に被害者が増えていくことだと私は思っていますが、SESで参加したエンジニアも巻き込まれることは多々あります。

    デスマーチはある日突然、デスマーチになるわけではなく、最初は、“些細だけれど、しかしクリティカルなスケジュール遅れ”という形で現れます。この始まりの時点で、一次受けのSIerの担当者(いわゆるプロパー社員)がクライアントやユーザー部など、案件発注元に正確に今後の見通しを説明して、より良い解決策を導き出してくれれば、たいていの場合、デスマーチは回避できます。

    しかし、“まぁ、問題ないだろう”と考え、「進捗通りです」だとか、「進捗は多少遅れていますが、リカバリーできます」と無責任に報告した結果、盛大に燃え上がってしまうのがデスマーチです。

    そして、デスマーチ状態になると、普段以上のハードワーク、多方面からの強い風当たり・バッシングに晒された現場は、たいていギスギスします。特に、システム発注元と直接会話することが多いプロパー社員は、周りからのプレッシャーや罵詈雑言を受けて心に傷を負い、モラルを失うこともあります。

    さて、Aさんのいた現場でも、プロパー社員たちのモラルが急激に低下し、結果として、SESでは本来、禁じ手であるプロパー社員から直接、SESエンジニアに対して業務の指示を行ったり、残業の強要を含めたパワハラが横行したそうです。

    さらに、味方のはずのSESリーダーが、会社の売上に目がくらみ、その状況を黙認しただけでなく、さらには「もっと人が必要になりますよね?」と、どんどんSESエンジニアを投入、被害者を拡大させてしまったそうです。

    SESの闇案件 事例2 低賃金の雑用扱い

    突然ですが、SIerをはじめとして、「SESに頼る企業が日本には多いのか?」その理由を考えたことはありますでしょうか?

    改めて質問されると、どう答えれば良いのか悩む方もいるかもしれませんが、単純に「必要なIT人材を自社で用意していないから」が答えになります。

    では、「なぜ、必要なIT人材を自社で揃えないのか?」という質問が出てくると思います。その答えは「自社で抱えるより、SESなどを利用して、外部から調達した方が、コストがかからないから」になります。

    この「自社で抱えるより、外部から調達した方が、コストがかからないから」という表現ですが、みなさんどう感じます? おそらく“(自社要員との比較で)SESエンジニアは低賃金労働者という意味かよ?”と思った方が多いかと思います。

    そして、そういう風に考えて、SESエンジニアを扱う現場が少なくありません。私の後輩であるBくんもまさに、そのような現場で働く羽目になったそうです。

    Bくんは、一応、クライアント企業のシステム部門に常駐したそうですが、若くて経験が足りなさそうと思われたのもあってか、ろくにシステムに触らせてもらえず、行うことと言えば、打合せ資料の印刷、配布、議事録作成の繰り返し。それ以外の仕事といえば、社内便の授受やファイル整理など雑務ばかりだったそうです。

    本人曰く、「システム部門のプロパー社員たちよりも、“事務職のパートのおばさま”たちとの方が仲良くなった」という状態でした。

    結果、その現場では、まったくと言って良いほど彼はITスキルを身に付けることができず、年次の割にスキルが足りないとして、彼のためだけにベテランメンバーが特別に指導メニューを開発することになりました。

    ちなみに “専門の会社でスキルを高めた人材を利用すること、クライアント企業は、自社で育てるよりも低コストで高品質な希少なスキルを持った人材を活用することができる”というのがSESなどの外注契約の本当の理念です。しかし、残念ながら、日本ではこの考え方が浸透していないように感じます。

    SESの闇案件 事例3 メンバーが飛ぶ

    案件飛ぶ

    これは、過去に技術者向けのセミナーで一緒になったCさんから聞いた話です。

    とにもかくにも人手が不足している現場があるから、軽い支援だけで良いから、参加して欲しい、と言われて入った現場が、とんでもない現場だったそうです。なにがとんでもないのかというと、明らかに仕事に対して人数が足りておらず、一人頭の仕事量が異常で、毎日、終電間際まで残業するのが常態化していたそうです。

    しかも、Cの前任者は、その状況に耐えかねて“飛んだ” 、つまり現場に来なくなったそうで、その前任者がなにをどこまで進めたのか、他の人もイマイチ把握していない状態でのスタートだったそうです。

    結局、その後、その現場で中心になって引っ張ってきたキーマンと言える方も出社しなくなり、ドミノ倒しのように、メンバーが次々と来なくなり、最終的には「金額を増やしてもらえないと、体制が組めませんので、撤退します」とクライアントに申し入れて撤退したそうです。

    クライアント企業からすると「御社がこの金額で良いっていうから、この金額で契約しているのだけれど?」という思いがあったでしょうし、そもそも、SES契約は残業してまで仕事を完遂させなくてはならない契約ではありません。

    “根本的に間違っている現場”の良い例のように思います。

    現状のSESの案件事情は? 闇は解消されているのか?

    インターネットやSNSの発達や、SESについて待遇改善を求める人たちの活動などによって、SESの闇が暴かれるようになってきたので、次々と人が病んでいなくなるような「マジでヤバイ」レベルはなくなったと思います。

    しかし、SES界隈の闇は全くなくなったのか?と聞かれるとノーでしょうね。SESエンジニアが「ヤバイ現場」について知識を付けたのと同じように、悪い現場担当者やSES企業も、悪知恵を身に付けているはずです。ある面では、より悪質になってきている部分もあるかもしれません。

    ただ、昨今、IT人材が不足していることもあり、多くの人材に興味を持ってもらえるように、現場の環境改善が相当、努力されているように感じます。また、そうした努力ができないSESは、今後、生き残れないでしょう。

    まとめ:SESに行くなら、気をつけたいポイントは二つ!

    繰り返しになりますが、SES全体が悪いわけではありません。しかし、悪い現場、SES企業があるのは、否定できません。そこで、最後で働くことを考えている人向けに、注意点をお伝えします。

    育成計画やキャリアプランを考えての案件アサインなのか?

    現場の担当者と“本当の業務内容”について事前に会話できたか?

    ①も②もないような、「とりあえず案件に入れて、現場に送り出すようなSES」は、売上優先で、SESで働くエンジニアのことを考えてくれていない、よくないSESです。高確率で不幸な目に遭います。

    良く見定めて業務をスタートさせましょう。

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