UI/UXデザイナーのスキルを証明するときに必要な資格をご存知でしょうか?
スキルを示すものとしてポートフォリオや実績が重要なUI/UXデザイナーですが、資格を取得することでよりスキルの裏付けとなり転職やフリーランス転向に役立つことも。
今回は、UI/UXデザイナーに求められるスキルとともに、そのスキルを証明するのに必要な資格とその具体的な資格取得方法、内容などをまとめてお伝えします。
UI/UXデザイナーのフリーランス案件を紹介してもらう
資格についてご紹介する前にそもそもUI/UXデザイナーとは何なのかを説明すると、それぞれ以下のような役割があります。
UIとはユーザーインターフェース(User Interface)の略。一般的にユーザーとプロダクトをつなぐ接点を意味する言葉で、Webサイトやアプリでいうと、人がモノ(PCやスマホ)を操作するときに触れるアプリのデザインや画像、ボタンなど外観に関わるすべてをUIと呼びます。
UIデザイナーの主な仕事内容は、アプリの各ボタンのデザインや配置を考え、年齢層・ターゲットが「使いやすいよう」に画面を設計・デザインをすることとされています。
UXとはユーザーエクスペリエンス(User eXperience)の略。プロダクトやサービスを通じて得られるすべてのユーザー体験を示す言葉で、Webサイトやアプリでいうと、サイトやアプリを通じて得た全ての体験(登録〜購入までなど)をUXと呼びます。UXはUIを含めたすべての顧客体験を示します。
以上のような役割が主にあげられます。
しかし、実際にはUXデザイナーの説明で示した通り、UIを内包した役割がUXであるため、多くの企業ではUIとUXを同時に担うパターンが多いようです。
UIはPhotoshopやIllustratorなどのデザインのスキルや知識が、UXHCD(人間中心設計)やマーケティングなど多岐に渡る知識が必要とされるため、常に新しい情報を取り入れるなどの勉強が必要になります。
UI/UXデザイナーがどういった仕事なのかご理解いただけたかと思います。
それでは次に、UI/UXデザイナーに必要なスキルについて解説しましょう。
UI/UXデザイナーに必要なスキルは次の4つです。
UI/UXデザイナーを目指す方はこれらのスキル取得を行いましょう。
1つ1つのスキルについて詳しく解説していきます。
UI/UXデザイナーにとってもコミュニケーション能力は重要です。
どんなに優れたデザインを生み出せても、そのアイデアを他人に上手く伝えられなくては、デザイン案が通らなくなってしまいます。
また、UI/UXデザイナーはデザイン案をコーダーやプログラマーに共有し「このデザイン通りにコーディングしてください」と指示を出さなくてはいけません。
コミュニケーション能力に欠けていると、思い描いたサイトとは異なるものが完成してしまう可能性があります。
UI/UXデザイナーには探究心も強く求められます。
ユーザーが「使いやすい」「面白い」と思うデザインは時代によって移り変わるものです。
そのためUI/UXデザイナーは常にデザインのトレンドを知っておく必要があります。
そのうえで、自社サイトにトレンドをいかに取り入れるかを検討しなくてはいけません。
そのためには探究心を強く持ち、何事もまず受け入れて自分の物にしていく姿勢が大切です。
Web業界は「変化が激しい」と言われており、トレンドの移り変わりは非常に激しいため、UI/UXデザイナーに転職後も勉強を継続する姿勢は大切と言えます。
UI/UXデザイナーにとってデザインスキルは核となるものです。
UI/UXデザイナーに転職する際は、これまで制作したWebサイトをまとめた制作物を提出することがほとんどであり、面接官は制作物を通じて求職者のデザインスキルを審査します。
UI/UXデザイナーを目指すなら、まずはWebデザインの基礎を学ばなくてはいけません。
また、PhotoshopやIllustratorなどのWebデザインツールも使いこなせる必要があります。
デザインスキルは独学でも習得可能ですが、独学が思うように進まない場合、UI/UXデザイナーやWebデザイナーを目指す方向けの学習スクールに通うのもおすすめです。
学習スクールでは先生から1からデザインの基礎を教えてくれるうえに、カリキュラム内で制作した自主制作物をポートフォリオとして面接時に提出することができます。
UI/UXデザイナーはSEO対策の知識を持っていた方が有利です。
SEO対策とは、Googleを始めとする検索エンジンの評価を最大化するために取る戦略のことです。
検索エンジンに評価されれば、自社サイトで検索上位に来やすくなり、来訪者数や売上数アップに繋がります。
SEO対策はUI/UXとも密接に関わってきます。
UI/UXの変更によって検索エンジンからの評価が変動することがあるためです。
そのため、UI/UXデザイナーはWebマーケターとも相談しつつ、検索エンジンからの評価を高めるためのデザインを検討しなくてはいけません。
現在、前述の通りUI/UXデザイナーは需要も高く、多種のスキルを身に付ける必要があります。そのため資格はスキルの証明になります。
しかしUI/UXデザイナーには特定の資格は必要ありません。一方で、資格取得は大きなアピールポイントになり、フリーランスの方の受注や転職にもプラスの材料となるといえるでしょう。
UIデザイン、UXデザインそれぞれで必要とされるスキルとそれを証明できる資格や試験は以下となります。
ウェブデザイン技能検定は、特定非営利活動法人インターネットスキル認定普及協会が実施している、Webデザインに関する国家資格です。
資格は1級から3級まで分かれており、1級2級には実務経験がないと受験資格が与えられない(1級は7年以上、2級は2年以上)ため、この資格がある、というだけでキャリアの証明にもなります。
ちなみに、各級とも学科試験と実技試験で構成されており、実技試験では私物のパソコンを持参し、実際に課題Webサイトを作成する内容になっています。
難易度は3級の場合、それほど高くなく、他の国家資格(IT資格等)に比べ難易度は低いといえます。
出題形式と合格基準は下記の通りです。
出題形式 | 合格基準 | |
学科 | 筆記試験(マーク方式):「多肢選択法」「真偽法」形式 | 70点以上(100点満点) |
実技 | 課題選択方式 | 70点以上(100点満点) ※試験要項に示す各作業分類において配点の60%以上の得点を得ること |
Webクリエイター能力認定試験は、サーティファイという企業が主催している民間資格試験です。
Webクリエイターに必要とされる、Webサイト制作のデザイン能力およびWebページのコーディング能力を認定する試験です。
取得できるランクは「スタンダード」と「エキスパート」の2種類があり、HTML5とCSSの文法を使用したコーディングを行う試験内容となります。
Webクリエイター能力認定試験には受験資格は特にないため誰でも挑戦することができます。
出題形式と合格基準は下記の通りです。
スタンダード | エキスパート | |
出題形式 | 実技問題 | 知識問題・実技問題 |
合格基準 | 得点率65%以上 | (合計得点において)得点率65%以上 |
Google UX Designプロフェッショナル認定は、googleが提供しているUXデザイナー養成オンラインコースです。
取得できるとgoogle認定の証明証を受け取ることができます。
UXデザイナーになるためのグーグル認定のトレーニングを受講でき、7つのコースを週10時間ほど学習し、約6ヶ月で受講完了できるとされています。
現在受講内容は英語のみでの提供となっていますが、オンラインビデオの内容は全てスクリプトがあるためDeepLを利用すれば英語が苦手な方でも受講可能とされています。
こちらのカリキュラムは試験に合格する形ではなく、コースを終了するごとに証明書をもらえる形の資格となります。
受講内容と料金は以下とされています。
受講内容
1. UXデザインの基礎
2. UXデザインプロセスをはじめる
3. ワイヤーフレームと低精度プロトタイピング
4. UXリサーチと初期コンセプトのテスト
5. Figmaでの高精度のデザインとプロトタイピング
6. Adobe XDによるレスポンシブWEBデザイン
7. ソーシャルグッドのためのUXデザインと、就職の準備
受講料金は月$39(約6ヶ月で$234)となっています。
公益団体の人間中心設計推進機構が実施している、UXデザインなどについての専門性を明らかにするための資格です。
HCD(人間中心設計)とは、UXに含まれるひとつの要素で、人間がプロダクトを使いやすくすることに焦点を置いた、使う人の観点でものを作るためのしくみです。
HCDには使いやすさ(ユーザビリティ)はもちろん、観察・理解・設計・評価などの利用者の視点に立つための知識が必要とされています。
認定制度には、専門家とスペシャリストの2種があり、経験やコンピタンスに応じた認定が行われます。
Web業界は変化の激しい業界であり、その中で生き残っていくには、キャリアパスをしっかり考え今後どのスキルを取得するのがプラスになるのか考えることが大切です。
そこで、UI/UXデザイナーに転職した後のキャリアパス例を紹介します。
UI/UXデザイナーに転職した後の代表的なキャリアパスは、WebディレクターなどのWeb業界におけるマネジメント職を目指すことです。
Webディレクターはサイト制作全体の指揮を取る責任者であり、各クリエイターへ作業指示を出したり、進捗状況を管理し納期やサイト仕様の調整を行ったりします。
その他、ITコンサルタントを目指す道もあります。
UI/UXデザイナー出身の方は、その経験を活かしてWebサイトの集客アップに関するコンサルティングなどを行うことが可能です。
また、フリーランスのUI/UXデザイナーとして独立する方も多くいます。
フリーランスになれば実力次第で年収を上げることが可能です。
Web制作自体の需要が高まっているため、フリーランスのUI/UXデザイン案件も多くあります。
資格に関して全般的に弊社エージェントが任意で企業に独自調査したところ「必要ない」という意見が多数であることが判明していますが、UI/UXデザイナーのポートフォリオや職務経歴書を書く際にプラスアルファの能力を示すことができるため、取得して損はありません。
UI/UXデザインを学び始める方には基礎を知るきっかけとして、長年活躍している方はスキルの整理/再確認として利用するのもオススメです。
ハイレベル案件を受注するためにも、ぜひ挑戦してみてください。