フリーランスの屋号について エンジニアならどうする?
目次
フリーランスエンジニアなどフリーランスとして仕事をする場合、基本的には実名もしくは屋号を使って活動します。
屋号とは株式会社でいうところの会社名にあたりますが、フリーランスになったからといって必ず必要なものではありません。
しかし屋号を持つことで、相手の印象に残りやすくなるなどビジネスにとってプラスとなる側面も存在しています。
フリーランスの屋号の申請方法とは
フリーランスが屋号を持つためには、開業届けの提出が必要です。
開業届けは国税庁のホームページや税務署で取得できます。
しかし開業届けを提出する屋号をつける際には、注意点があります。
それは既に商標登録されている名称は屋号にすることができないということです。
最悪の場合は既に商標登録をしている人とのトラブルに発展してしまうリスクもあるため、開業届けの提出前に、届け出ようとしている屋号に問題がないか事前にしっかりとリサーチはしておくことをおすすめします。
開業届けは居住区に応じた管轄の税務署に提出します。
納税を白色申告ではなく青色申告でする場合は、青色申告の届け出も合わせて申請しておきましょう。
ちなみに個人事業主としてあらかじめ開業しておいて一定の条件を満たせば緊急非常事態宣言など有事の際に緊急小口資金の貸付を受けることができる可能性があります。
そのためフリーランスエンジニアとして屋号を作らない場合でも、開業届けを提出しておくことの意味はあるといえるでしょう。
参考:国税庁「[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続」
フリーランスの屋号を持つメリット
フリーランスエンジニアとしての活動は実名のみでも何も問題はありません。
実際にフリーランスの屋号を持たずに、実名のみでフリーランスとして活動している人も少なくありません。
しかしフリーランスの屋号を持つメリットはいくつか存在しています。
ではフリーランスの屋号を持つメリットにはどのようなものがあるのかを見ていきましょう。
信用されやすくなる
開業届けを提出して屋号を持ってフリーランスエンジニアとして活動していることは、取引先から信用されやすくなるというメリットがあります。
個人名義しか持っていない状態でフリーランスエンジニアとして活動していると、担当者によっては不安を感じる場合があります。
契約において問題になるほどの違いではありませんが、フリーランスエンジニアとして屋号を持っていることで信用につながる可能性があります。
銀行口座を屋号で開設できる
フリーランスエンジニアとして独立すると、生活費の銀行口座と事業用の銀行口座を分けた方が経費や売り上げを管理しやすくなります。
そのためフリーランスとして独立すると、事業用の銀行口座を用意することは一般的によくある話です。
その事業用の銀行口座を開設する際に、屋号を持っていれば屋号の名称で銀行口座を開設できます。
事業内容を相手に伝えやすくなる
屋号がフリーランスとしての事業内容を連想できる名称であれば、相手に簡単に活動の内容をイメージしてもらいやすくなります。
フリーランスエンジニアであれば、ITに関する言葉を屋号として取り入れることで、活動内容が伝わりやすくなります。
求人を出す際に採用しやすくなる
フリーランスエンジニアの場合、人を雇用する必要に迫られることはほとんどありませんが、事業内容によっては人手が必要になることがあります。
その求人を出す際に個人名ではなく屋号を表に出した方が求職者にとっても安心感があり、採用につながる可能性は高くなります。
フリーランスの屋号のデメリット
フリーランスが屋号を持つことのメリットは先に述べた通りですが、フリーランスの屋号を持つことにはデメリットも存在しています。
ではフリーランスの屋号のデメリットにはどのようなものがあるのか、順番に見ていきましょう。
ネーミングセンスがなければ印象がマイナスになる

フリーランスの屋号はビジネスシーンで活用する名称となるため、屋号の印象はよくも悪くも相手に残ります。
そのためネーミングセンスがない屋号をつけてしまうと、屋号だけでセンスがない印象を与えてしまうリスクがあります。
フリーランスエンジニアとして独立して屋号をつけるなら、事業内容や今後の方向性などを踏まえた上でつけることが大切です。
長い屋号は書類作成の際に手間に感じる
無駄に長い屋号をつけてしまうと、書類への記入や作成の際に面倒に感じる可能性が高くなります。
通常、氏名として使う文字数は、文字数が多い名字など多くても8文字を超えることはほとんどありません。
しかし屋号は英語と日本語の組み合わせなども可能となるため、文字数は氏名よりも多くなるケースが少なくありません。
あまり長い屋号をつけてしまうと、手書きで書類に記入が必要な場合などに面倒に感じることも出てくることが予想できます。
フリーランスエンジニアの屋号の具体例
エンジニアの屋号をつける際は商標登録されていないこと、そして事業内容が伝わりやすいこと以外にも注意すべきポイントがあります。
それは「会社」や「法人」など株式会社や法人と誤解させる文言を使ってはいけない、ということです。
屋号はあくまでも個人事業主(フリーランス)として利用するものとなるため、会社組織だと勘違いされるような誤解を招く屋号はつけないように注意することが大切です。
ではこのようなポイントを押えた上で、フリーランスエンジニアの屋号としては、どのようなものが考えられるのか、その具体例を見ていきましょう。
氏名 + プロジェクト
自分自身の氏名の後ろにプロジェクトの表記を加えた屋号は、定番の屋号の付け方の一つです。
実際に自分の氏名を屋号に加えているケースは少なくありません。
プロジェクトの表記を英語にすることでスタイリッシュなイメージを持たせることができます。
また上記の氏名の箇所を特定のITに関連するキーワードとするのも一つのアイディアです。
しかし定番の屋号の作り方になるため、氏名やキーワードとの組み合わせによっては既に商標登録されている可能性があるため注意が必要です。
氏名 + システム
「システム」というキーワードはエンジニアを連想させる言葉の一つとなるため、屋号をつくる際には検討したいキーワードの一つです。
氏名の箇所は氏名だけでなく、特定のキーワードに置き換えてみてもいいでしょう。
またカタカナで表現できる言葉、英語にするだけでITの屋号らしい雰囲気を出すことができます。
カタカナのキーワードが思いついた場合は、英語に置き換えることも検討しましょう。
キーワード + 屋
和風の屋号にするなら、「屋」というキーワードも組み合わせやすい言葉の一つです。
ITに関連したキーワードと組み合わせれば、フリーランスエンジニアらしい屋号ができる可能性があります。
しかし特定のキーワードの組み合わせは既に商標登録されている可能性があるため、いい屋号が思いついた場合は既に利用されていないかどうか、リサーチをしておきましょう。
キーワード + Labo
「Labo」というキーワードは専門性やプロフェッショナルを連想させるキーワードとなるため、屋号に活用されやすいキーワードの一つです。
フリーランスエンジニアとして特定の分野でスペシャリストとしての実績がある場合などに検討したいキーワードの一つです。
屋号は必要? フリーランスのエンジニアの現場の声から考える
屋号を持って活動しているフリーランスエンジニアは少なくありませんが、屋号の必要性については賛否が分かれます。
では実際にフロントエンドエンジニアとして働いているエンジニアにはどのような意見があるのでしょうか。
独自に現場の声を集めてみたので、その声について見ていきましょう。
「そもそも考えたことがない」
フリーランスエンジニアとして活動していても、SNSやブログなどで情報発信をしていない場合、屋号を持つことへの関心がほとんどない人も珍しくありません。
またフリーランスエンジニアとしてずっと働くわけではなく、状況に応じて会社員として働くことも想定しているエンジニアなどは、このような意見もあります。
「ないよりはあった方がいい」
開業する時に屋号をつけたものの、特に大きなメリットを実感していない人もいます。
しかし名刺交換の際などに個人名だけでなく、屋号があることで話題は拡がりやすいなどの小さなメリットはあるようです。
「不要」
フリーランスエンジニアという働き方にコミットしている場合、屋号を持って活動しているケースは少なくありません。
しかし20代など働き方の選択肢が多く、他の職業やエンジニア業務以外の事業を考えている場合などはそもそも不要と考えている人もいるようです。
【まとめ】フリーランスとして独立するなら屋号については慎重に考えよう
ここまで紹介してきたように、屋号はフリーランスエンジニアにとって必ずしも必要なものではありません。
また屋号は事業用の銀行口座の開設などにも関係してくる名称となるため、慎重に決めるべきものもあります。
そのためまずは今後のエンジニアとしてのキャリア形成を考えて、まずは自分にとって屋号が必要かどうかを考えましょう。
そして屋号を持つことを決めたなら、取引先相手に与える印象を考えて戦略的に屋号をつけることを検討することが大切です。
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