フリーランスエンジニアの3つの独立失敗談を紹介
目次
フリーランスエンジニアの失敗談 その1
「フリーランスになるとバラ色の未来が待っている!」的なサイトは多いですが、フリーランスになって失敗した経験のある人の話を紹介しているサイトって意外と少ないですよね。
人は失敗から学ぶといいますが、10の成功談より1の失敗談の方が得ることが多い、というのはよくあることです。
そこで今回は、私の周りにいるフリーランスSE(システムエンジニア)たちの失敗談をご紹介したいと思います。
ひとつ目の失敗談は私が正社員SE(システムエンジニア)として勤務していた、ユーザー系システムインテグレーターの同僚の話です。
ユーザー系システムインテグレーターのプロパーSE(システムエンジニア)社員というのは、自分の傘下で仕事をしているパートナー社のSE(システムエンジニア)には「お客様」として丁寧に扱われ、グループ企業の社員からはIT専門家として全幅の信頼を寄せられます。
若手であっても、SE(システムエンジニア)としての提案がそのままグループ企業のITシステムの運用方針になることすらあります。
※一部のユーザー系システムインテグレーターだと、親会社の職員に“子会社の人”として、雑に扱われることもあるようですが、(給料には大きな差がつけられていたけれど)うちは目に見えて差別待遇を受けることは少なかったです。
しかし、ユーザー系システムインテグレーターのプロパーSE(システムエンジニア)社員の技術力は、グループ企業特化型です。
世間で話題になっている新技術であっても、グループ企業で使う予定がない技術を学ぶ機会もなく、確かにグループ企業のシステムであれば、上流工程からどんどん担っていけるけれど、総合的な技術力はで、パートナー要員として自身の傘下で仕事をしているベンダー系・独立系システムインテグレーターのSE(システムエンジニア)に勝てそうにない、ということもよくあります。
ところが失敗した彼は、ユーザー系システムインテグレーター勤務者特有の技術の偏りと、その影響に思いをはせず、脱サラ・フリーランス化して、当初、大変苦労していました。
上流工程経験があることを評価されて案件へのアサインはすぐにされるものの、能力不足・知識不足を何度も糾弾されたそうです。
彼がフリーランスになってからも、たまに飲みに行ったりしていましたが、酒が入ると「いままで井の中の蛙だった」とよくこぼしていました。
なお、今では足りなかったスキルを補い、立派にフリーランスSE(システムエンジニア)として活躍しています。
テクフリでフリーランス案件を探してみるフリーランスで失敗しないための検証と対策 1
自己分析不足でしょう。
ユーザー系システムインテグレーター勤務ではなくとも、会社の組織力(あるいは、部署の仲間の協力)のおかげで実現できたことを、自分ひとりのお手柄と勘違いしてしまう人は少なくありません。
自分の能力を侮ってはいけませんが、自分の能力を過信してもいけません。
脱サラする前に本当に現状のスキルセットでフリーランスとしてやっていけどか、真摯に自分のできないこと・足りない分析を分析しましょう。
会社を辞める前に、フリーランス向けの求人会社でエージェントと面接してみて、感触を確認するのもありかと思います。
フリーランスエンジニアの失敗談 その2
ふたつ目は、同じ現場にいたフリーランスSE(システムエンジニア)の話です。
彼は仕事を探すのに人材エージェントを利用していたのですが、その会社が有り体にいうと“評判の悪い”ところでした。
人材エージェントはクライアント報酬を中抜きして利益を得ているので、中抜きされるのは仕方がないところがありますが、明らかに彼が利用している人材エージェントの中抜き率が高く、同じ仕事で同じ単価をもらっている他のフリーランスSE(システムエンジニア)と選べて、彼一人だけ、はるかに報酬が安くなっていました。
他にも不満があったようで、彼は人材エージェントと面談を行い待遇改善を要求しましたが、結局、人材エージェントは納得のいく回答をせず、業を煮やして彼は人材エージェントを乗り換えようとしました。
すると人材エージェントは乗り換えを阻止するために、いろいろ、彼にあることないこと含めて圧力をかけたようで、最終的になにもかもが嫌になった彼は“飛びました”。
現場に来なくなり、人材エージェントもどこにいるかわからない状態になったのです。
フリーランスで失敗しないための検証と対策 2
どこの人材エージェントも一緒だろうと安直に選んだのが運の尽きだったと思います。
人材エージェントは登録者をクライアントに紹介し、その紹介料で稼ぐ仕事です。
求職者のためのボランティア活動ではありませんし、本質的には登録者の幸せなんて知ったことではないのです。
とはいえ、あからさまな“商業主義的な人材エージェント”では登録者も集まらないので、以前よりも、登録者の気持ちに寄り添えない人材エージェントは少なくなってきましたが、それでも、一部でそういう人材エージェントが残っている、ということは理解しておいた方がいいでしょう。
人材エージェントの利用を考えている方は、どこの人材エージェントを利用するか、情報収集をしっかり行うべきでしょう。
また、彼とはその後、会っていないのでなんとも言えませんが、弁護士など労働問題の専門家に相談すれば、また異なった結末になったかもしれません。
フリーランスエンジニアの失敗談 その3
さて、最後は“フリーランスとして成功し過ぎた失敗例”をご紹介いたします。
すでにお伝えした通り、私はユーザー系システムインテグレーターで勤務していましたが、これは、そのときお世話になったある課長の話です。
その課長は入社年度から見るに、明らかに中途採用でした。
しかし、同世代の生え抜き社員たちのことを“同期”と呼び、仲良く飲みに行ったりするので変だなと思い、ある日、そのわけを聞くと、その方は「出戻り」だったのです。
つまり新卒採用でシステムインテグレーターとして入社したあと、いったん会社を辞めて、フリーランスとして10年近く活躍した後、再び新卒採用された会社で中途採用者として採用され勤務している、ということでした。
その人が呼ぶ“同期”は概念的なものではなく、新卒採用で一緒に採用された本物の同期というわけです。
ではなぜ、フリーランスから社員に戻ったか聞くと、「サラリーマンの方が自由だったから」という意外な答えが返ってきました。
元居たシステムインテグレーターに戻って課長職に就いてからの月給に比べて、フリーランス時代の月収は軽く三倍、多いと七倍もあったそうです。
この収入が明らかないようにトップクラスのフリーランスSE(システムエンジニア)として活躍していたようですが、高額報酬の代償として、相当に仕事が厳しく、忙しかったようです。
本人曰く「サラリーマンと違って、自由な働き方ができると思ってフリーランスになったはずなのに、サラリーマンよりハードで自由のない生活をしていた」そうで、お子さんの誕生を機に家族との時間を大事にしたいと考え、フリーランスという働き方を辞めることを決心したそうです。
フリーランスで失敗しないための検証と対策 3
一言でいえばキャパシティーオーバーです。
この方は非常に仕事ができる有能な方であるがために、なんでも挑戦しようという気持ちの強い方だったと思います。
難しい仕事であっても、自分ならできるという自負があり、実際、これまで何度も難題をクリアしてきたのでしょう。
また、クライアント側も「この人に任せれば間違いない」と、どんどん仕事を依頼していたと思います。
さらに確定申告書の作成や契約書の確認なども自分ひとりで行っていたようです。
確定申告書の作成や契約書の確認は外部の専門家(税理士や弁護士など)に依頼することができますし、クライアントの依頼であっても、現状、受けるのが難しいのであれば、その旨をはっきり伝えるべきです。
必要に応じて、仕事を減らす勇気も持つべきです。
まとめ:完結編
今回は私のかかわったフリーランスのSE(システムエンジニア)の失敗談をご紹介しました。
どの問題にも共通するのは、避けようがない失敗ではない、ということです。
フリーランスという働き方にはメリットだけでなくデメリットや落とし穴がある、ということを理解し、デメリットや落とし穴の対処法をしっかり考えておきましょう。
そうすれば、最悪の結末は避けられるはずです。
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