現在、ゲーム会社での動画作成や販促物のデザインを在宅で行っているオグヘイさん。上京して新聞奨学生制度を利用しながらデザイン系の専門学校に通いスキルを身につけ、会社員からフリーランスになった経緯までのお話を伺いました。
元々好きなことを仕事にしたいと考えて上京してきました。新聞配達店に住み込みながら新聞配達をして、学費を出してもらえる新聞奨学生制度を利用しました。しかし学業と仕事の両立はかなり厳しい環境で、辛い2年間を過ごしました。
卒業後、DTPオペレーターとして大手の印刷会社に就職します。4年程、在籍しました。大手なので安定していましたが「よりデザインに関われる仕事を行いたい」との思いがあって、退職をしました。
その後、派遣社員や小さなデザイン会社に社員として働きつつ、デザインのスキルを磨いていきました。しかし時代の流れもあり、今後はWeb業界に将来性を感じて退職をします。
当時は基金訓練制度という、国から援助を受けて短期間のスクールを行なっている事業がありました。そこでWebの勉強(コーディング等)をしました。同時にWeb制作会社でアルバイトも行いました。
ソーシャルゲーム会社に入社します。私自身ゲームが好きですし、これまでのスキルも活かせると思いました。最初はゲームのUIのコーディング、バナー、ランディングページの制作や更新も行なっていました。
会社も成長していき売り上げも良かったのですが、成長するにつれ、徐々にいわゆるブラックな働き方の環境になっていってしまいました。例えば就業時間は23時が定時扱いで、それより早く帰ると白い目で見られてしまい、評価をされない風潮でした。
それから体調を崩してしまい、いわゆる鬱に近い状態になってしまいました。上司から仕事は評価されていたのですが、まず何より体が大切で、その体調を回復するためには「残念ながら職場は変わらないので、自分で環境を変えるしかない」と思い、致し方なく転職することにしました。
転職先も同じようなソーシャルゲームを作る会社でしたが、既に体調が良くなかったこともあり長続きはしなく、結局半年ぐらいで辞めてしまいます。
そこでまずは一旦休養期間が必要と判断し、一時期お医者さんにも通いながら生活していました。貯金を崩しながら生き延びる毎日です。
失業保険が入りましたがそれでも生活は厳しいので、カラオケ店で接客のアルバイトも行いました。不思議なことに、体を動かしている内に気も紛れ、体調も徐々に回復していきました。
そこで再度就職する際には体調を考え、残業が少ないWebコンテンツを制作する会社に入りましたが、2年後に倒産してしまいました。会社員としてのキャリアはこれが最後になりますね。
自分が勤めていた会社の中にはブラックだったりパワハラのような働きの現場もあり、体調を崩すことになってしまったり、倒産した会社では「ゲーム」というものをよく分かっていないワンマンな社長の鶴の一声で内容を変えることになってしまったりと、「会社の組織という世界」での働き方に疑問を持つようになりました。
丁度その頃、日本の古くからの大企業の経営不振によるリストラなどのニュースを見て、終身雇用が崩れているのを感じ、これからは会社員の働き方も安定ではなく、自分の身は自分で守っていくのが必要な時代なのかなと感じました。
また、生涯労働時間が人生の約1/3もあると考えた場合、その人生の限られた時間の中で自分の好きなことや楽しさを感じる働き方をした方が、私は人生が有意義だと考えました。
昔は定年まで辛抱するのが美徳と言われる時代でしたが、その終身雇用も崩れてきていますし、何より生きている今この瞬間を大事にしたいという考えです。
それらの理由から、最後の会社員時代に少しずつフリーランスになる準備をしていましたが、その会社のスマホゲームの売上が低迷で急遽倒産することになってしまいました。
私の準備は万端ではありませんでしたが、まごまごしているうちに年を取って若さも失い、人生の時間も無くなっていきますし、仮に準備が万端だとしてもそれが必ず成功するとも限りません。
そこで失敗しても良いのでチャンスは今行動することで、まずはやってみるしかないと、そのままフリーランスの世界に飛び込んでみました。
デザイナーも技術の進化を伴う仕事ですし、時代も常に変化しているので、茹でガエルのように現状にとどまらず、常にスキルアップや時代の流れを意識するよう心がけています。
また、在宅での仕事の場合、特に自分で自分を管理していくしかないので、健康や運動不足解消のために運動を少しずつ始めたりしています。
といいつつも、なかなか運動の習慣化は難しいなぁと感じているのですが…(笑)
フリーランスでも会社常駐や在宅・リモートの形態など色々ありますが、共通して言えるのは会社員と比べ、もしその仕事や現場が自分に合わなかった場合、ずっと我慢せずに案件を変えることで済むことで精神的に随分楽になりました。
自分はデザイナーとしてまだまだ未熟ですが、フリーランスは自分の力量次第で案件を選ぶことができることがメリットだと思います。
また、在宅・リモートの場合は通勤しなくて良いメリットや、職場での余計な人間関係でストレスを溜めなくて済むのも自分に合っていると感じています。
業務内容や自分のスキルにもよりますが、高単価で自分の適正や希望に合った案件をご紹介いただけたことです。中には個人の力ではなかなか働けないような案件の会社さんもあり、良い経験をさせていただきました。
自分にとって興味があり、楽しく仕事ができる案件やスキルアップ、より少しでも高い単価に上げていくことが目標です。
もしゆくゆく仕事が上手く軌道に乗ったら起業も考えたりしていますが、起業が目標ではなく、まずは楽しく仕事をして、生きていくことを今後も目標としてやっていきたいです。
プロフィール:オグヘイ
デザイナー経験16年、2年前にフリーランスで活動開始。Web、スマホゲームやアプリUI、紙媒体、直近では動画編集も始めており、幅広いデザインを行うフリーランサー。
ブログ:https://oguhei.net/
ポートフォリオサイト:https://oguhei-design.net/
※新聞奨学生時代のお話はオグヘイさんのブログで読むことができます。4コマ漫画もあり読み応えタップリです。