JavaScriptのフレームワークには数多くの種類があり、サーバーサイドでの利用やスマホアプリの開発もできるようになっています。そんなJavaScriptフレームワークの特徴やトレンドを元におすすめ9選を紹介します。
JavaScriptのフレームワークとは、JavaScriptを利用して開発をする際に必要な機能を、ある法則に則ってつかえるよう標準化したものです。
例えばJavaScriptを1から書く場合には200行必要な機能が、JavaScriptのフレームワークを利用すると20行だけで済むことがあります。
フレームワークと似た言葉としてライブラリがありますが、フレームワークはプログラム全体の枠組みとして機能するものであるのに対し、ライブラリはプログラムの部品の1つとして扱われる、という違いがあります。
フレームワークは開発に必要な機能を一通り提供する一方で、ライブラリは1つの機能のみに絞って提供するという違いがあるのです。つまり、ソフトウェアとしての規模はフレームワークの方が大きいということになります。とはいえ、両者に明確な違いがあるわけではありません。ライブラリもフレームワークも、「開発に使えるソフトウェアがパッケージ化されたもの」です。
続いて、JavaScriptフレームワークを利用するメリットを解説します。メリットは次の4つです。
1つ1つのメリットについて詳しく解説します。
MVP開発やリーンスタートアップという言葉が注目されているように、IT/Web業界では特にサービスを高速で市場に投下することが重要です。JavaScriptのフレームワークを利用するのとしないのでは、開発スピードにかなりの差が生じます。
例えばJavaScriptのフレームワークには、データベースアクセスの機能やログイン機能などが備わっているのですが、それらをフレームワークなしでエラー無く完成させるには、かなりの時間を要してしまうのです。
フレームワークを使えば、Webアプリの機能の一部を自分達で開発する必要がなくなるため、開発およびテストにかかる工数が大幅に削減します。
コードの書き方にはその人の個性やクセがでます。
経験、スキル、年齢、性格、キャリアなど様々な要因によって差が生じるのですが、人が書いたコードを修正するのは、かなり大変な作業です。コードの内容を正確に読み取らなくてはいけませんし、修正箇所がどの範囲まで影響が及ぶかも確認しなくてはいけません。
フレームワークを利用すれば、コードの統一性を保持させることができます。
統一性を保持することにより、多人数開発にも対応しやすくなります。
JavaScriptのフレームワークは基本的に大人数のエンジニアに利用されています。そのため、バグはすでに解決されていることが多いです。
それらのバグが少ないフレームワークを利用して開発を進めると、開発をしたプログラムもバグが少なくなる可能性が高まるといえます。
JavaScriptの中規模、大規模以上案件では、フレームワークが利用されていることがほとんどです。そのため、フレームワークを習得することでフリーランスは仕事を獲得しやすくなります。
特にReact・Angular・Vue.jsは年々ニーズが上昇しているため、JavaScriptエンジニアのフリーランスとして仕事を安定的に獲得するにはキャッチアップは必須といえるでしょう。
続いて、JavaScriptフレームワークを利用するデメリットを解説します。デメリットは次の2つです。
これらのデメリットを留意したうえでフレームワークを導入する必要があります。1つ1つのデメリットについて詳しく解説しましょう。
フレームワークを使いこなすにはJavaScriptの理解がある前提で、最低でも数週間は学習をする必要があります。概要を抑えることができても、細かい要望を実現しようとすると調査に更に時間がかかることはよくあります。
また、フレームワークの情報は英語で書かれていることが多いです。特に日本であまり普及していないフレームワークを習得する場合、日本語のドキュメントが少なくて学習に苦労するかもしれません。英語が苦手な方は、Reactなど日本でも人気が高いフレームワークから勉強してみることをおすすめします。
フレームワークはいわゆる「よくある機能」を開発する際には有用です。しかし、前例が少ない機能を開発したい場合、対応できないことが多々あります。フレームワークは決められたルールに則ってサービスを開発していかなければならないため、イレギュラーが多発するようなサービスではフレームワークを利用しないほうが作りやすいことがあるのです。
最後に、おすすめのJavaScriptフレームワークを9つまとめました。
この中でも上4つは需要が特に高いため、優先的に学習すると良いでしょう。各フレームワークの特徴や学習難易度について解説していきます。
jQueryはブラウザ用のJavaScriptコードをより簡略的に書けるようにする目的でつくられたライブラリです。非常に人気が高く、Webサイトのうち7割強に利用されているといわれています。厳密にはフレームワークではないのですが、他フレームワークと比較されることが多いため、今回は対象としました。
jQueryの学習コストは低いうえに、オンライン学習サービスなどでもjQuery教材は用意されている場合が多いため、初心者にもおすすめです。加えて、ファイルを読み込むにはHTMLにコードを一行追加するだけで良いため、すぐに導入できます。
React.jsはマーク・ザッカーバーグ率いるFacebook(現Meta)によって開発されている、JavaScriptライブラリです。
ボタンやテキストボックスなどのUI制作にメインに使われており、HTMLで使うようなタグを埋め込んで実装をします。
扱いやすさは他のJavaScriptフレームワークと比較すると、やや劣ることはありますが、処理スピードが速いのと(更新が必要な箇所のみ書き換える技術が備わっているため)、UIの各パーツごとにプログラムを管理できるため拡張しやすいのがメリットです。
日本ではVueのライバル的なポジションですが、海外ではReactの人気が圧倒的でFacebookだけでなく、Yahoo、Instagram、Netflixに利用されています。
AngularはGoogleをメインに開発されている、オープンソースのフレームワークです。AngularJSの後継フレームワークという位置づけとなっています。
Angularの特徴は、「MVW」という考えに基づいて構築されていることです。Model(データ)・View(画面)・Whatever(その他)の3つをそれぞれ独立させることで、「担当者を割り振りやすい」というメリットがあります。
また、フルスタックフレームワークのため、他のフレームワークを導入しなくてもAngular単体でWebアプリ開発を行えるのも特徴と言えるでしょう。ただし、その分覚えるべきことは多いので、学習期間が長くなることを想定しておくことが大切です。
Vue.jsはシンプルな設計が特徴のJavaScriptフレームワークです。
学習コストは低く、日本語ドキュメントが充実しているため始めやすいフレームワークです。また、jQuery同様にコードを一行追加するだけで使うことができます。
Vue.jsは2014年2月、GoogleでAngularJSの開発に関わったエンジニアによって初版がリリースされました。SPAのようなシンプルで小規模な開発に適しています。
しかしながらAngularとは対称的に、大規模な開発は苦手です。大規模開発ならAngular、小規模開発ならVue.jsがそれぞれ適しています。
Backbone.jsは名前の通りMVCの骨組みを提供するJavaScriptのフレームワークです。
最小限の機能で構成されたフレームワークのため、実際に実装するにはjQuery、Underscore.jsなどの併用が必須となります。Backbone.jsはフレームワークというよりもライブラリ感覚で使うことが多いでしょう。
Riot.jsは、非常にシンプルで学習コストが低いJavaScriptのフレームワークです。
カスタムタグを作成することができて、HTML、CSS、JSを1つのタグにまとめることができ、見通しがよいのが特徴です。
小規模開発にむいているのですが、CoC(設定より規約)のようなルールがないので、当人でルール決めが必要なことに注意です。
現状ではまだシェア率は低いものの、初心者にも分かりやすいことを追求したフレームワークであり、今後伸びる可能性もあるでしょう。
Knockout.jsは大規模開発にも簡潔なプログラムを組めます。
機能はBackbone.js以上、Angular以下といったイメージです。
Vue.jsと同じMVVMを採用しているので、HTMLとJavaScriptの分離が簡単に行えるのが特徴となります。運用・保守の効率化ができるのが魅力と言えるでしょう。
Ember.jsは複雑なwebアプリを管理するための機能と、生産性の高く高速化が可能なツールキットが特徴的なフレームワークです。
データバインディングやコンポーネントなどの機能もあります。
特にUI制作を得意としており、一部の有名企業も導入しています。
わずか1KBの超軽量フレームワークといえば、Hyperappです。
TypeScriptにも対応をしておりReactやVueをもっと効率よくプログラミングできるように設定されています。
学習コストは少ないのですが、情報がネットにあまりないので、そちらは注意が必要です。英語の情報ならそれなりにあるため、英語が得意な方なら習得しやすいでしょう。
JavaScript案件の単価や案件数はどのくらいなのでしょうか。
テクフリに掲載されている案件を参考に以下にまとめました。
弊社調べによるとJavaScript案件の平均単価は72万円です。単価の幅は下限で30万円、上限が190万円となっています。
JavaScriptフレームワークを下記のように比較をしてみました。
JavaScriptのフリーランスエンジニアとして案件を受注したいのであれば、現状、選ぶべきはReactもしくはVueといえそうです。
フレームワーク | テクフリ案件数 | Qiitaの記事数 | stackoverflowでの質問数 | 学習コスト |
jQuery | 248 | 16427 | 619 | 低 |
React | 712 | 20989 | 291 | 高 |
Angular | 148 | 6659 | 261 | 高 |
Vue | 757 | 17468 | 273 | 低 |
Backbone.js | 9 | 668 | 17 | 低 |
Riot.js | 5 | 496 | 2 | 低 |
Knockout.js | 4 | 255 | 25 | 低 |
Ember.js | 0 | 219 | 0 | 中 |
Hyperapp | 0 | 60 | 0 | 中 |
フレームワーク | Vue.js |
案件名 | JavaScript/Vue.js/Nuxt.js/大手金融業界でのフロントエンドエンジニア/週1リモート |
月額単価 | 〜880,000円/月 |
最寄駅 | 青山一丁目駅 |
業務内容 | 本企業で開発を進めているWeb申込フォームのAPI化に伴うJavaScript(Vue.js)でのフロントエンド実装業務。 |
基本スキル | ・Vue.js(Nuxt.jsの経験があれば尚可)を用いた業務での実装経験 ・フロントエンド実務経験3年以上 |
フレームワーク | Angular |
案件名 | Angular/工場業務システム更新/フロントエンドエンジニア/リモート併用 |
月額単価 | 〜770,000円/月 |
最寄駅 | 西大路御池 |
業務内容 | 工場業務システム更新(現行ASPサービスの移行)をのフロント部分をご担当者いただきます。 |
基本スキル | ・TypeScriptの活用経験または、JavaScript(Angular)の活用経験 |
フレームワーク | jQuery |
案件名 | Javascript/自社Webサービスのフロントエンド開発/フルリモート |
月額単価 | 〜610,000円/月 |
最寄駅 | フルリモート |
業務内容 | ・自社Web研修サービスを展開されている会社様になります。 ・フロントエンドエンジニアとしてjQueryからVue.js移行を上流工程から行って頂きます。 |
基本スキル | ・Javascriptを用いて社外向けのWebフロント開発のご経験3年以上 ・jQuery及びVue.jsを利用したご経験 |
本記事ではJavaScriptフレームワークについて解説しました。JavaScriptフレームワークにはさまざまな種類があることがご理解いただけたかと思います。
Webアプリは何度も改良を繰り返さなくてはいけないため、開発効率を高めるためにフレームワークが利用されることが多いです。JavaScriptエンジニアとして稼ぐなら、フレームワークはぜひ習得しましょう。
また、フレームワークによって得意不得意があるため、使い分けることが大切です。UI制作ならReactが向いてますし、大規模開発ならAngular、小規模開発ならVue.jsが向いています。とはいえもちろん、全てのフレームワークを習得するのは難しいため、まずは需要が高いものから勉強していくのが良いです。
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