データサイエンティストという職業をご存知でしょうか。データサイエンティストとは、膨大なデータを収集・分析することで、ビジネスに活用する知見を得て、企業の意思決定を手助けする仕事です。
具体的に、楽天では、運営しているECサイトを通じて、ユーザー閲覧履歴や購入履歴のデータを収集し、ユーザー一人一人の特性を分析しています。これにより、それぞれの特性にあった広告を掲載する事ができ、広告のクリック率や購買率を向上させています。
近年では、ビッグデータ分析の需要がどんどん高まっており、今やなくてはならない存在となってきています。
今回は、そんなデータサイエンティストの平均年収や必要なスキルなどをまとめました。データサイエンティストに興味がある方や、目指している方はぜひ参考にしてください。
データサイエンティスト案件を紹介してもらう
まず初めに、データサイエンティストの平均年収について、年齢や会社規模別に、詳しく見ていきましょう。
データサイエンティストの平均年収は約655万円で、推移は440万円から870万円と言われています。国税庁の民間給与実態調査によると、令和元年における日本全体の平均年収は約436万円となっています。
このことから、データサイエンティストの年収は、日本全体の平均よりも200万円近く高いことがわかります。
さらに、年収1000万円以上を提示している企業も多く存在するので、スキルが高いほど多くの収入が期待できます。
専門的な知識やスキルが必要で、重大な意思決定の場面で、データに基づいた合理的判断を求められるデータサイエンティストの仕事を考えると、このような結果は当然と言えるでしょう。
また、40代のデータサイエンティストの平均年収を男女別に見てみると、男性の平均が約760万円、女性の平均は約544万円となっていて、男性の方が200万円以上高くなっています。
年齢別に見ていくと、データサイエンティストの年収は平均約350万円からスタートし、年収の推移が一番高くなる50代後半から60代では約800万円に到達します。
年齢 | 年収 |
20代前半 | 約350〜400万円 |
20代後半 | 約400〜470万円 |
30代前半 | 約400〜520万円 |
30代後半 | 約480〜600万円 |
40代前半 | 約530〜650万円 |
40代後半 | 約600〜750万円 |
50代前半 | 約680〜800万円 |
50代後半 | 約700〜800万円 |
60代 | 約450〜800万円 |
また、年代別では、20代の平均年収が約404万円、30代の平均が約511万円、40代の平均が約655万円、50代の平均が約786万円となっています。
年代 | 年収 |
---|---|
20代 | 約404万円 |
30代 | 約511万円 |
40代 | 約655万円 |
50代 | 約786万円 |
企業規模の違いから見ていくと、大企業で働くデータサイエンティストの平均年収は約760万円、中企業の平均は約629万円、小企業の平均は約570万円となっています。
会社の規模が大きくなればなるほど平均年収も比例して高くなっている点では、多くの他の職業と同じであると言えるでしょう。
海外のデータサイエンティストの平均年収は日本と比べ、どのようになっているのでしょうか。
前述したように、日本全体の平均年収は約436万円で、データサイエンティストの平均は約655万円です。
アメリカ全体の平均年収は約430万円となっていて、全体の平均年収では日本とアメリカに大きな差はありません。
しかし、アメリカのデータサイエンティストの平均年収は約1200万円となっており、日本の平均の2倍近くにまでなっています。
アメリカでデータサイエンティストは「最も稼げる職業」と言われています。また、アメリカ全土の職業の中で、雇用満足度や平均給料などの要素から比較し、人気な仕事を選ぶ「ベストジョブ」に4年連続で入賞しています。
これらのことから、アメリカでデータサイエンティストは、日本に比べて需要が高く、人気であることがわかります。
日本とアメリカの間でこれほど大きな差が生まれているのは、アメリカの方が日本よりもデータの分析や活用がビジネスにとって重要だと考えているからです。もちろん、日本でもデータの分析や活用は重要だと考えられていますが、アメリカの方がその傾向がより強くなっています。
さらに、日本と比べて、海外の方が転職をする人が多く、人材の流動性は高いです。そのため、多くの企業が優秀なデータサイエンティストを確保するために、他の企業よりも高い年収を提示していることも、年収が高くなる理由の一つです。
参照元:https://www.glassdoor.com/blog/best-jobs-in-america-2019/
ここまで、データサイエンティストは高収入な職業であることを説明してきました。
なぜデータサイエンティストの給料は高収入なのでしょうか。ここから見ていきましょう。
データサイエンティストが高収入な理由の一つ目は、求められるスキルが高いためです。データサイエンティストは、膨大なデータを収集・分析し、そこから活用する必要があります。データを正確に解析するためには、統計学の知識が必要です。
また、データ分析だけでなく、「どの課題に取り組むべきなのか」や「分析したデータをどのように活用し、課題を解決するべきか」などのように、ビジネス的な観点で物事を考える必要もあるので、ビジネススキルも必要です。
さらに、データ収集やデータ統合などの処理では、データ解析言語と呼ばれる「R言語」や「Python」のプログラミングの知識も必要です。
これらの知識は専門性が高く、全てを独学で学ぶことは非常に困難です。さらに、日本では他の国に比べ、データサイエンティストに必要な知識を網羅的に学べる学校や十分な教育体制が整っている企業が少ないのが現実です。
求められるスキルが高く、必要な知識を身につけられる場所も多くないことから、高いスキルを持っているデータサイエンティストは非常に少なく、需要が高くなっています。
そのため、企業が優秀な人材を確保するためには、よりよい条件を提示する必要があるので、データサイエンティストの収入が高くなっています。
二つ目の理由は、データ分析など需要が伸びている分野なためです。
近年、企業が保有するデータの量は年々増加していて、会社によってはビッグデータと呼ばれるほど膨大なものになっています。情報量があまりにも多く、知識のない人が扱えるレベルよりも遥かに大きくなっています。
そのため、膨大なデータを分析するには、データ分析の知見をもつ専門家が必要不可欠です。その専門家こそがデータサイエンティストなのです。
今日のビジネスシーンにおいて、データの分析や活用、機械学習のニーズは高まる一方であり、いまや企業にとってなくてはならないものになっています。
優秀なデータサイエンティストを確保できるかどうかが、直接会社の利益につながると言っても過言ではなくなってきています。
そのため、データサイエンティストの需要は高まっており、求人の数もどんどん増えてきています。
企業が、数少ない優秀なデータサイエンティストから人材を確保するには、よりよい条件を提示する必要があります。その結果、高い年収を提示する企業が多く、データサイエンティストの収入が高くなっています。
ここまで、データサイエンティストが高収入であることを説明してきました。
ここからは、正規雇用とフリーランス、どちらのデータサイエンティストの方が稼げるのかを見ていきましょう。
前述したように、正規雇用のデータサイエンティストの平均年収は約655万円で、単純に12で割った場合、月収は約55万円になります。
テクフリを参考にすると、フリーランスの場合、平均単価は1ヶ月約93万円となっていて、単純に12でかけた場合、年収は約1120万円になります。
この結果から見ると、フリーランスの方が正規雇用よりも2倍近く稼げることがわかります。
フリーランスの場合、持っているスキルによって収入が大きく変わるので、一概にいうことはできません。しかし、それを加味した上でも、フリーランスでは単価が高い案件が多く存在するので、フリーランスの方が比較的多く稼ぐことができるでしょう。
データサイエンティストになるには、専門的な知識やスキルが必要であることは、ご理解いただけたかと思います。
では、実際にデータサイエンティストになるためには、具体的にどのようなスキルが必要なのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
データサイエンティストに必要なスキルの一つ目は、「統計に関する知識」です。
前述したように、データサイエンティストは大量のデータを収集・分析し、そこから活用する必要があり、データを正確に解析するためには、統計学の知識が必要です。大きく分けて、「数学」「データ分析手法」「データ分析ツール」の3つのスキルが必要です。
データ分析の共通語は数学となっていて、データ分析に関するほぼ全ての本が数学の知識がある前提で書かれています。
そのため、最低でも高校数学までの知識、特に確率・統計、微分積分、行列の分野の知識が必要です。また、できるのであれば、大学初級レベルの解析学、線形代数学の知識もあった方がいいでしょう。
データ分析では、データ統計処理などの分析モデルを作成し、それに従って分析を進めていきます。そのため、データマイニング手法(分析に適した統計処理手法や、構造化されたデータベースから情報を抽出し、自動的に傾向やパターンを発見する分析手法)について理解しておくことが必要です。
データ分析には多くの手法があり、データの種類や必要とする分析結果によって、使うデータ分析手法が変わります。
そのため、「自らが必要とする結論を出すために、どのような分析手段をつかう必要があるのか」などを知っておく必要があります。
膨大なデータを扱うデータ分析では、途中計算が非常に複雑なため、基本的に分析に特化した分析ツールを用いて分析を行います。そのため、データ分析手法だけでなく、データ分析ツールの手法についての知識も必要となります。
基本的には、Excelの分析手法を用いて分析できますが、より専門的なデータ分析が必要な場合は、IBM社の「SPSS」が活用するといいでしょう。
データサイエンティストに必要なスキルの2つ目は、「Python、R言語などのプログラミングスキル」です。
前述したように、大規模なデータセットを効率的に処理したり、複数のデータを統合するためにはデータ解析言語である「R言語」や「Python」のプログラミングスキルが必要です。
Pythonは、主に機械学習やAI開発に使われていて、理解することが比較的簡単で、初心者向きの言語と言われています。
R言語は、学術や研究向けの統計解析言語として開発されたもので、データの分析や解析に非常に優れている言語です。しかし、Pythonに比べて専門性が高く、日本語の情報が少ないため、初心者の方や英語が苦手な方には難しい言語かもしれません。
Pythonhは初心者向けなのに加え、WEBアプリの開発などにも使われているので汎用性も非常に高いです。そのため、どちらの言語を勉強するか迷った場合、Pythonから学習するのがいいでしょう。
データサイエンティストに必要なスキルの3つ目は、「データベースに関する知識」です。
データサイエンティストが扱う膨大なデータは、基本的にデータベースに格納されています。データサイエンティストは、データベースから効率的にデータ収集やデータ処理をするために、分析基盤や環境構築をする必要があります。
膨大なデータを扱うため、データ設計が適切でないと、サーバーに大きな負担がかかってしまい、最悪の場合サーバーが止まってしまいます。サーバーに大きな負荷をかけないためにも、効率的なデータ設計をする必要があります。
データサイエンティストに必要なスキルの4つ目は、「膨大なデータの処理知識」です。
前述したように、データサイエンティストが扱うビッグデータは、容量が非常に多いので、データの蓄積や操作をするには、専門的な知識やスキルが必要となります。
また、ビッグデータは今後さらに発展が期待されている技術領域なので、業界の動向を常に追いかけ、最新の情報や技術をテェックする必要があります。
ここまで説明したように、データサイエンティストになるには、専門的な知識やスキルを身につける必要があります。そのため、未経験からいきなりデータサイエンティストになることは難しいでしょう。
まずは、データサイエンティストに必要な統計学やデータ分析などの専門知識を大学や専門学校で学びます。そこから、新卒で企業に入社し、経験を積んでいきましょう。
しかし、データサイエンティストは専門性や求められるスキルが非常に高いので、新卒からいきなり配属されるとは限りません。
そのため、まずは、データベースエンジニアやデータマイニングエンジニアなどの日常的に膨大なデータを扱う機会が多い職種で働き、実務経験を積んでからデータサイエンティストへの転職を目指した方が現実的でしょう。
データサイエンティストの平均年収は650万円程度で、推移は440万円から870万円と言われています。
データサイエンティストが高収入な理由は、「求められるスキルが高いため」「データ分析など需要が伸びている分野なため」の2つが挙げられます。
データサイエンティストになるために必要なスキルは大きく分けて、「統計に関する知識」「プログラミングスキル」「データベースに関する知識」「膨大なデータの処理知識」の4つです。
今回は、近年需要が増えてきている「データサイエンティスト」の年収や必要なスキルについてまとめました。
データサイエンティストは、膨大なデータを収集・分析し、活用することが求められます。膨大なデータの収集・分析には専門的な知識やスキルが必要となります。求められるスキルが高い反面、他の職業と比べて年収は高い傾向があります。
この記事を通して、データサイエンティストに対する理解を深めるために、少しでもお役に立てましたら幸いです。
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