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ChatGPTでのプロンプトエンジニアリングのコツとは?代表的な例を紹介します

2024.09.19

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目次

    AI技術の進歩によって、ビジネスシーンにおいても生成AIの活用が急速に広まっています。
    生成AIはテキストだけにとどまらず画像・音声などのさまざまな形式のコンテンツを生成できます。

    ChatGPTをはじめとする生成AIが最適な出力を生成するためには、適切な指示(プロンプト)を与えることが重要です。この指示を与える技術を、プロンプトエンジニアリングと呼びます。

    さまざまな研究により、効果的なプロンプトエンジニアリングを行うことでAIの回答の精度を最大化できるということが明らかになっています。

    この記事では、ChatGPTにおけるプロンプトエンジニアリングのコツを具体的な手法と合わせてご紹介し、現在のプロンプトエンジニアリングの課題についても詳しく解説します。

    ChatGPTを実際に活用しているという方だけではなく、これから使ってみようと考えている方にも役立つ内容となっておりますので、ぜひ最後までご一読ください。

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    プロンプトエンジニアリングとは

    プロンプトエンジニアリングとは性

    プロンプトエンジニアリングとは人工知能(AI)から正しい回答を得るために適切なプロンプトを設計する技術やアプローチのことです。

    中でも、大規模言語モデル(LLM)と呼ばれるChatGPTのようなAIに対して適切なプロンプトを設計する役割のことを指す場合が多いです。

    生成AIは大量のテキストデータで事前に学習されており、その知識をもとにして新しいテキストを生成します。しかしその生成結果は必ずしも一様ではなく、提示するプロンプトの内容によって異なります。

    したがって、回答の精度を向上させるためにプロンプトエンジニアリングのスキルが必要とされるのです。

    優れたプロンプトエンジニアリングスキルをもつ、「プロンプトエンジニア」という職種も近年では話題となっています。

    プロンプトエンジニアについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
    プロンプトエンジニアとは?必要なスキルや将来性について解説
    プロンプトエンジニアになるには?未経験から目指すステップや関連資格を徹底解説

    ChatGPTでのプロンプトエンジニアリングのコツ

    ChatGPTでのプロンプトエンジニアリングのコツ

    ChatGPTは、OpenAIが開発した大規模言語モデル(LLM)です。

    大規模言語モデルとは膨大なデータとディープラーニング技術によって構築された言語モデルであり、自然言語でのやり取りが可能なため、チャットボットサービスなどでも活用されています。

    ディープラーニングについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
    ディープラーニングとは?仕組みや実用例をわかりやすく解説

    ChatGPTのプロンプトエンジニアリングのコツとしては、以下が挙げられます。

    • 前提条件を指定する
    • 出力形式を指定する
    • 出力の具体例を提示する

    それぞれのコツについて、具体例と合わせて詳しく解説していきます。

    前提条件を指定する

    前提条件を指定したプロンプトを与えることによって、目的に沿った回答を得やすくなります。

    例えば友人へのプレゼントのアイデアを出したい場合は、以下のような前提条件を含むプロンプトを作成するとより良いアイデアを得られるでしょう。

    • 友人とは10年以上の付き合いです
    • 友人は甘い食べ物が苦手です

    また、専門的な知識を必要とする質問の場合は「あなたは〇〇の専門家です」という前提条件を含むプロンプトを与えることで回答内容が変化します。

    ChatGPTにおけるプロンプトエンジニアリングでは前提条件をなるべく詳しく指定することで、より適切な回答を生成できるのです。

    求めている回答が得られない場合には、前提条件を付け加えて質問してみましょう。

    ChatGPTについて

    ChatGPTについて小学生に

    出力形式を指定する

    出力形式を指定するということも、ChatGPTにおけるプロンプトエンジニアリングでは重要です。

    先述の通り、前提条件を与えることで回答の精度をコントロールできますが、その結果を適切な形式で回答させるためのプロンプトも必要となります。

    まずは先ほどの例に沿って、友人へのプレゼントについて以下のように質問してみましょう。

    プレゼントのアイデア

    どれも素敵なアイデアですが、プロンプトを変化させて出力形式を指定してみましょう。

    プレゼントのアイデア表形式

    アイデアとその説明、予算を表形式でまとめてから出力してくれました。

    このように出力形式を指定することによって、質問者が見やすい形で回答を得ることも可能です。

    出力の具体例を提示する

    ChatGPTは出力の具体例を提示することで、より精度の高い回答を生成してくれることが分かっています。

    問題解決のアプローチや文章のスタイル、情報の提示方法など具体例を挙げて期待する回答を詳しく示すことが重要です。

    抽象的な質問を投げかける場合などは特に有効な手法であり、回答例を与えることによって得たい答えのニュアンスを伝えることができるでしょう。

    ChatGPTでのプロンプトエンジニアリングの例

    ビジネスマン

    ChatGPTにおけるプロンプトエンジニアリングのコツを3つご紹介しましたが、ここからはさらに具体的な手法をいくつかご紹介します。

    回答精度を向上させることができるので、ChatGPTをさらに有効活用したいという方はぜひチェックしてみてください。

    Zero-shot prompting

    「Zero-shot prompting」は、AIに特定のタスクや問題について事前のトレーニングや例を与えずに回答させる手法です。

    Zero-shot promptingのプロンプト例としては、以下のような質問があります。

    Zero-shot prompting

    事前に知識を与えることなく簡単に回答が得られるため、ChatGPTを初めて使用する人でも簡単にできる手法と言えるでしょう。

    しかし事前知識が少ないことで、質問の種類によっては正確な回答が得られない場合もありますので注意しましょう。

    Few-shot prompting

    「Few-shot prompting」とは前もって少数の回答例を提示しておくことによって、それらを参考にして新しいタスクを解決するように求める手法です。

    AIは提示された例から一定のパターンを学習することによって、類似の問題に対応することができます。

    Few-shot prompting

    このように、日本語から英語へと変換するというタスクをいくつか提示しておくことによって、新しいキーワード「馬」に対しても同様の処理を実施することができます。

    Few-shot promptingは少ないデータをもとに新しいタスクを処理することを目的としたプロンプトエンジニアリングであり、様々なケースで役立ちます。

    上記の例以外にも、ChatGPTでは計算処理におけるミスが発生するケースがありますが、正しい計算例をいくつか示すことによって防ぐこともできます。

    提示するパターンの個数が多いほど回答の精度が向上する傾向があるため、難易度の高い質問を投げかける際には特にこの手法を活用してみるといいでしょう。

    Chain-of-Thought prompting

    「Chain-of-Thought prompting」は、問題解決の過程を段階的に思考させることによって、複雑な問題に対する回答の精度を向上させる手法です。

    Chain-of-Thought prompting

    Chain-of-Thought promptingを利用することで、このような算数の文章問題なども順を追って解くことができます。

    問題を解く上で必要となるそれぞれのステップについて説明させることで、AIの理解を深められます。

    この手法を用いることで思考の過程を確認できるため、間違ったステップが発生した場合にも修正しやすいというメリットがあります。

    Generate Knowledge prompting

    「Generate Knowledge prompting」は、AIに知識を与えることで、そこから得られた情報をもとに新しい回答を生成させるテクニックです。

    こちらもまずはプロンプト例をご紹介します。

    東京と千葉

    事前知識が与えられていない状態では、ChatGPTが間違った回答を出力してしまうケースもあります。(実際には千葉県の方が大きい)

    そこで以下のように正しい事前知識を与えることによって、学習結果をもとに正しい回答を出力できるようになります。

    Generate Knowledge prompting

    上記は極端な例のため、ChatGPTに質問する必要がないように感じられるかもしれませんが、既存の情報から新しいアイデアを導き出す場合にも活用できる手法です。

    プロンプトには正確な知識や情報を含む必要があるため、事前知識についてユーザーが正しく理解しておく必要があります。

    Self-Consistency

    「Self-Consistency」は、論理思考を伴うプロンプトを大量に与えることによって、複雑な質問でも整合性の取れた回答が得られるようにするプロンプトエンジニアリングの手法です。

    例として、まずは以下の問題をChatGPTに解かせてみましょう。

    年齢問題ミス

    こちらも一般的な算数の文章問題ですが、得られた回答結果は正しくないようです。
    (正解は70歳)

    そこでSelf-Consistencyを活用して、新たに以下のようなプロンプトを与えてみます。

    Self-Consistency

    年齢問題正解

    今回は正しい結果を得ることができました。

    与えたプロンプトに含まれるその他の質問と回答は、もとの質問とは関係無い質問のようにも見えます。

    しかしプロンプトにこれらの質問を含めることでChatGPTに論理的な思考を学習させることができ、結果的にもとの問題にも正しく回答することができるのです。

    先述した「Few-Shotプロンプティング」とも似ていますが、事前に与える質問の質や量を変化させることによってさらに対応能力を向上させる手法ということになります。

    ChatGPTでのプロンプトエンジニアリングの課題

    プロンプトエンジニアリングの課題

    ChatGPTにおけるプロンプトエンジニアリングには、以下のような課題もあります。

    • 最新バージョンが有料である
    • 情報が正確でない場合がある
    • 情報漏洩のリスクがある

    ChatGPTでプロンプトエンジニアを行う際にはこれらの課題に留意すべきであり、全てをChatGPT任せにしないように注意しましょう。

    それぞれの課題について詳しく説明します。

    最新バージョンが有料である

    現在、ChatGPTの最新バージョン(ChatGPT4.0)は、有料で提供されています。

    最新バージョンとそうでないものを比べると、性能や情報の鮮度において差が生じる場合があります。

    より高品質な回答を得たい場合には、最新バージョンを利用する必要があるでしょう。

    とはいえ、無料で利用できる範囲でもプロンプトエンジニアリングの重要性は十分に理解できますので、まずは自分の手を動かしてChatGPTを体験してみてください。

    情報が正確でない場合がある

    ChatGPTを含む言語モデルはトレーニングデータに含まれる情報をもとに回答を生成しますが、常に正確な情報を提供できるとは限りません。

    特に専門的な知識や最新のニュースに関しては、誤った情報を提供してしまうリスクを孕んでいます。

    ChatGPTはまだ開発途上にあり、改善され続けている段階です。
    したがって、最新のバージョンを利用している場合でも出力結果が100%正確とは限りません。

    ChatGPTの回答だけを情報源とするのではなく、信頼できる外部のソースなどを合わせて確認することが大切です。

    情報漏洩のリスクがある

    ChatGPTに機密情報や個人データを含むプロンプトを入力することによって、情報漏洩のリスクを高める可能性があります。

    ChatGPTにおけるプロンプトエンジニアリングでは、個人情報や機密情報の取り扱いに十分注意しましょう。

    まとめ

    ChatGPTまとめ

    ChatGPTを利用する際には、回答のクオリティを向上させてその成果を最大化するためにプロンプトエンジニアリングの技術が求められます。

    本記事ではChatGPTのプロンプトエンジニアリングにおけるさまざまなテクニックを紹介しましたが、これらをケースに応じて使い分けることによって生成AIの可能性はさらに広がるでしょう。

    また、今回紹介した手法を参考に実際に手を動かして実行してみることで、プロンプトエンジニアリングの楽しさに気づけるのではないでしょうか。

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