Ruby案件・求人をお探しの方へ
企業がRubyエンジニアの採用に力を入れるのは当然かもしれません。Perlより強力にすることと、Python2よりオブジェクト指向にすることを目標につくられた言語だからです。Rubyは「いいとこどり」した優秀な言語なのです。
また日本人が開発したので、初学者が勉強するときの参考書は「原文の日本語」で書かれてあります。外国人が開発した言語の参考書が日本語で書かれてあっても、それは「翻訳された日本語」なので、どこか読みにくさがあります。「原文の日本語」ならストレスなく自然に読み進めることができます。
最近は、ビッグデータ解析のニーズが急速に高まっています。小売業も製造業も医療業界もビッグデータを解析することでマーケティングの精度を高めたり、重要な判断をするときの根拠や証拠にしたりしています。ビッグデータを握った企業がその業界を制するのです。
Rubyはサーバサイド業務に適した言語で、ビッグデータの取扱いを得意としているRubyエンジニアが多い特徴があります。つまりRubyエンジニアはいま「ビジネスシーンで活躍しやすい」位置にいるのです。Rubyの特徴を解説したうえで、Rubyのフリーランスがどのように働いているか紹介します。
Rubyの案件は少ない?在宅・リモートの場合
テクフリでは現在、在宅・リモート可能なRuby案件は38件と多くはないです。
Ruby案件の開発手法はアジャイルであることが多く、仕様が明確でないことがある程度影響しています。
しかし参画当初は常駐でも、ある程度の信頼関係がきずけた後であれば在宅・リモートを許可する企業は多いです。特にスタートアップなどの小規模開発であれば可能性が大いにあるため、まずはエージェントに相談をしてみましょう。
Rubyの案件数推移
次に、Ruby案件の案件数推移を見てみましょう。
2019年12月の案件数156件からスタートして、2020年5月の半年後には累積で166件に増加しています。なお、テクフリの掲載案件はほとんどを東京都内が占めています。「Rubyはオワコン」という意見がささやかれていますが、東京都内に限っては、まだまだ需要が高いと言えるでしょう。
Ruby案件の単価事情
続いて、Ruby案件の単価事情をみてみましょう。Rubyエンジニアにはどのような業務がどれぐらいの単価で発注されるのでしょうか。
①広告系SaaSツール開発、案件単価85万円/月
公告系SaaSツール開発で、案件単価85万~90万円を提示している会社があります。業務内容は、広告の効果検証と分析を実行するSaaSツールの開発です。
かなりの高額案件ですが、その分求められるスキルも高くなっています。この案件に応募するには、フロントエンドエンジニアとサーバサイドエンジニアの両方の経験が必要になります。Ruby on Rails開発3年以上の経験も必要です。
当然ですがアドテクノロジーの知識は必須です。ただそれらをクリアできれば、常勤日数は週3日でかまいません。
②広告代理店で使うDMP開発、案件単価70万円/月
広告代理店が使うプライベートDMPの開発では、案件単価70万円が提示されています。データ・マネジメント・プラットフォームとは、ビッグデータや自社サイトのログデータを一元管理して広告配信を最適化するプラットフォームで、広告会社がマーケティングに使っています。この案件も高額ですが、それはクライアント企業(広告代理店)との折衝が任されるからです。先述したとおり、Rubyエンジニアでもクライアント目線に立てる人は特に「稼ぐ」ことができます。
Ruby案件の単価相場
テクフリでのRuby案件の単価相場は上記グラフとなります。70万と80万円代の案件がほとんどを占めていることがわかります。
また、90万を超える案件は数が少ないため、年収1,000万円を超えるためには他スキルとの掛け合わせが必要ともいえるでしょう。
Ruby案件のポジション別単価相場
ポジション別のRubyフリーランス案件の平均単価を見てみます。インフラエンジニアの単価が他ポジションよりも高いことがわかります。
Ruby求人の年収相場
正社員の年収と比較するとどのようなことがわかるでしょうか?
上記グラフがRubyエンジニアの正社員求人の年収相場になります。単純にRubyフリーランス案件の月額単価を12倍にして考えると、正社員求人よりも得られる年収は高いといえます。
正社員のRubyエンジニアで今よりも年収をあげたいと考えている方はフリーランスへの転身も選択肢の一つとして持っておくと良いかもしれません。
Ruby on Railsなどの案件フレームワーク事情
Rubyによる開発で多用されるフレームワークはRuby on Railsです。最近はRuby on Railsを使いたいためにRubyの取得を目指す人もいるくらいです。
また、Hanami、Sinatra、PadrinoもRubyを使った開発で使われています。
それぞれの特徴を紹介します。
①Ruby on Railsの特徴
「Ruby on Railsを覚えてしまえば、言語としてのRubyを習得する必要はない」と豪語するエンジニアもいます。
実際はRubyの知識ゼロでRuby on Railsを操ることはできませんが、しかしそのようなことが言われるくらい、Ruby on Railsの機能性の高さには定評があります。
Ruby on Railsの最大の特徴は、MVCに分解して開発できるところでしょう。MはModelで「データを扱う部分」です。VのViewは「ユーザーがみることができる部分」、CのControllerは「MとVの連携させる部分」です。
MVCが分解できると、それぞれに開発を進めることができるので、ボトルネックが発生しにくくなり、遅延を予防できます。また先行している担当者が遅れている担当者を手伝うことができ、作業効率は格段に向上します。
Ruby on Railsの「自動テスト」機能を重宝するエンジニアは多いようです。
Ruby on Railsのテストプログラム機能を使えば、Web製作途中でのテストで、本物のブラウザを経由せずに自動的にチェックすることができます。通常の言語の場合、わざわざ試験用サイトをつくり、本物のブラウザから実際にアクセスして遷移などの操作性を確認しなければなりませんが、Ruby on Railsならテストが自動化されているのでその手間が要らないのです。
そのほかにもRuby on Railsには「コードが短い」「同じコードの重複を回避する」「修正がしやすい」という特徴もあり、Rubyエンジニアを助けています。
②Hanamiの特徴
Hanamiは軽量さと拡張機能が特徴のフレームワークです。開発者が自在にカスタマイズすることができます。ライブラリも豊富でフリーランスに重宝されています。Ruby on Rails同様にMVCに分割して開発するときにも適しています。
③Sinatraの特徴
Ruby初心者に好まれているのがSinatraです。
簡単なプログラミングでの使用を想定しているので、高いスキルがないエンジニアでも気軽に使えます。
④Padrinoの特徴
Padrinoは「Ruby on Rails以下、Sinatra以上」という位置づけになります。
つまりSinatraの軽量さとRuby on Railsの機能性を併せ持ったフレームワークです。MVC構造や自動テストの機能も備えています。
Ruby案件の内容をみてみよう
正社員での働き方や待遇、福利厚生などを知ることで、フリーランスを継続したほうがいいのか、それとももう一度会社員に戻ったほうがいいのかがわかります。Rubyエンジニアを正社員で採用する企業の案件票をみてみましょう。
①月10億アクセスのWebメディアを運営する渋谷の企業
渋谷に本社を置くこの企業は、月10億アクセスという巨大Webメディアを運営しています。100%自社開発をしているのですべての業務が社内で完結します。
そのためこの会社のエンジニアは、上流から下流まですべての仕事に携わることが可能です。つまり自分の得意分野で働くことも、新しく興味がわいた仕事に就くこともできます。
業務内容は、Webサービスの開発、保守、運用、改修、サーバーなどのインフラ保守、管理などとなっています。この会社は「残業1日1時間以内」をうたうなど、ワークライフバランスにも気づかっています。Rubyだけでなく、PHP、Java、Perlなどのエンジニアも同時に募集しています。給与は年俸360万~600万円+賞与2回となっています。
年俸の幅が1.7倍の開きがあることから、採用時のスキルチェックはかなり厳しいものとなるでしょう。案件票には「プログラミングから保守、管理まで携わるフルスタックエンジニアを目指してほしい」と書かれてあるので、「何でも屋」に近いほど高給が取れると考えてよいでしょう。
②「前職の月給+月5万円」を保証するクラウド受託開発企業
こちらの企業も渋谷に本社を置き、メインの業務はクラウド受託開発です。
給与は「月給35万円」または「前職の月給に月額5万円を上乗せした額」のいずれか高いほうとなっています。
転職後初年度の年収で1,000万円になった人もいます。そのほかの社員実績では「25歳経験2年年収450万円」「30歳経験5年年収600万円」「35歳経験10年年収850万円」となっています。Rubyエンジニアには、電子チケット開発や動画配信システム開発などの案件があります。会社としてはゲーム、IoT、ドローン、AI(人工知能)にも携わっていて、「総合ITソリューション」の様相を呈しています。
Rubyの特徴とは
Rubyの特徴を、Rubyの歴史を追いながら解説していきます。
①日本人が開発。1995年に公開
Rubyは日本人の「まつもとゆきひろ」氏、通称Matz氏が開発し1995年に一般公開されました。Rubyの特性は、Matz氏の生い立ちに深く関係しています。Matz氏は子供のころからプログラミングに触れ、大学でもプログラミングを学んだ筋金入りのエンジニアです。Matz氏は中学のころから「コンピュータ言語はなぜ使いにくいのか」という疑問を抱いていました。そして高校生のころには、「PerlとAdaとEiffelとSmalltalkとLispの『いいとこ』だけを抽出してつなぎ合わせれば最強言語ができる」という着想を得ました。
②Windows、MacOS、Linuxに対応
Rubyは1993年に完成し1995年に公開されました。「95」という数字はコンピュータ界にとって大きな意味があります。そうですWindows95が販売された年です。Rubyは、マイクロソフト時代が始まった年に世の中に登場したのです。
しかしMatz氏は「ある意味で」それよりも大きな構想を持っていました。RubyはWindowsは元より、MacOSやLinuxのOSにも対応します。
つまりエンジニアの初心者がRubyを選択しておけば、OSの行く末やOSの趨勢を気にせずスキル獲得を進めていくことができるのです。
③世界中で支持されているわけ
Rubyは無料で提供され、コピーやカスタマイズも自由にできます。
このような「志が高い」言語は、瞬く間に世界のエンジニアたちから支持されるようになりました。
2000年代に突入すると、世界のRubyユーザーがグループをつくりRuby開発に参入しました。Rubyは進化と拡大を続け、コンピュータ言語の優劣を判定する数々のランキングで必ずトップ10入りするようになりました。
Rubyの強みとニーズ
20歳を越えてからエンジニアを志す人は、Rubyがおすすめです。
Rubyは、初学者にとっては「簡単な言語」であり、中堅以上にとっては「頼りになる言語」という、稀有(けう)な性質をもっているからです。
①初心者に優しい。早く「独り立ち」できる
Rubyを学び始めた人は、短期間で「プログラムが読めるようになる」ことに驚くことでしょう。これは、開発者Matz氏の「楽しくプログラミングしたい」という想いが反映されているRubyだからこその特徴で、どの言語でもこの感覚を得られるわけではないのです。また構文の自由度が高く記述量が少ないので、初心者は早く「独り立ち」することができます。
②修正・確認作業のストレスが小さい
Rubyはインタプリタ方式を採用しているので、修正や確認の作業のストレスがそれほどかかりません。インタプリタ方式だと、プログラムを書きながら実行結果を得ることができるので、修正したところをすぐにチェックできるのです。初心者~中堅レベルのエンジニアの場合、長時間労働になるのは「確認修正再確認再修正」の作業が膨らむからではないでしょうか。
インタプリタ方式によって確認・修正の時間が短縮できることは、働きがいにも影響してきます。
③オブジェクト指向なのに記述量が少ないから業務効率が高い
Rubyは、チーム開発に向いているオブジェクト指向の枠組みでありながら、記述量が少なくて済むので、大規模プロジェクトでの業務効率が高まります。
RubyとPHPの2つの言語を獲得しているエンジニアなら、プロジェクトの規模が大きくなればなるほど「Rubyのありがたみ」が増していくことを実感しているはずです。
④スキルを高める環境がそろっている
RubyはC言語の汎用性を持ちながら、より高度な機能が備わっています。
またRuby向けフレームワークやライブラリが充実しているうえに頻繁に更新がなされているので「勉強しやすい」言語なのです。
Rubyエンジニアは基礎知識をマスターしてしまえば、後は独学でもスキルアップが図れます。
⑤仕事(案件)はまだまだ増える
「早い仕事」「自由度が高い仕事」「作業量が少ない仕事」ができるRubyは、これからもクライアントとエンジニアの双方の支持を集め続けるでしょう。
したがって「Ruby案件」はまだまだ増え続けます。
Rubyで気を付けること
Ruby自体には欠点が少ない言語なのですが、長所が欠点になってしまうことがあります。中堅以上のRubyエンジニアは、「Ruby初心者と一緒に仕事をしたくない」という感想を持っているのではないでしょうか。
Rubyは文法の自由度が高いことから、初心者がプログラミングしても「動いてしまう」という「長所がアダになる欠点」があります。そのため、グループで開発をするときに初心者が混ざっていると、文法の統一性が狂ってしまうことがあるのです。
また、大規模なシステム補修を行うとき、過去のRubyエンジニアが記述したコードを解読することに苦労することが少なくありません。
Rubyエンジニアの募集要項のトレンドとは
Rubyエンジニアは、どのようなポジションで働くことがもとめられているのでしょうか。案件票の募集要項などを参考に、Rubyエンジニアの働き方のトレンドを探っていきます。
①クライアント目線に立てるエンジニアは重宝される
IoTデータ処理サービスを手掛けるある企業は、Rubyエンジニアに「技術部門とサービス部門の架け橋的な存在になることを期待している」と述べています。この会社では、すべての業務に占める技術的な業務の割合が8割以上に達します。ところがほとんどのクライアントは、システムが「どうなっている」という技術的な話より、「どう使うのか」「どう便利になるのか」という実務的な話を求めます。同社はRubyエンジニアに、「コンピュータの話」を「クライアントが理解できる話」に翻訳するスキルを求めているのです。
つまり、クライアント目線に立って開発を進めることができるRubyエンジニアは重宝され、単価の高い案件を獲得できるようになります。
②ウォーターフォール型にとらわれない開発ができるエンジニアは重宝される
通常のシステムやアプリの開発は「要求定義外部設計内部設計開発テスト納品保守」というウォーターフォール型で進みます。
しかしこれでは、ユーザー(クライアント)がシステムやアプリの動きを確認できるのは納品直前か納品時です。そのため「土壇場になってすべてひっくり返る」ことが少なくありません。
しかし「土壇場になってすべてひっくり返る」という感想はエンジニア側の持つもので、ユーザー(クライアント)側からすると「土壇場になってすべてひっくり返すことはしたくないが、使いにくいのだから仕方がない」という感想を持ちます。しかしRubyには「高い使用性」という特質があるため、開発の各ステージでユーザー(クライアント)に使用性を確認してもらうことができます。開発者(Rubyエンジニア)はその都度フィードバックをもらえるので、「土壇場になってすべてひっくり返る」リスクを減らすことができます。
またRubyは「不確実性への柔軟な対応」が得意なので、ユーザー(クライアント)のビジネス環境が変化し、開発中のシステムやアプリもその変化に対応しなければならないときに方針転換する苦労が少なくて済みます。
Rubyの「高い使用性」と「不確実性への柔軟な対応」を遺憾なく発揮することが、Rubyエンジニアには求められます。
Rubyエンジニアが活躍している業界、分野
Rubyエンジニアは、IT・Web企業でも、システムの重要度が増している非IT非Web企業でも活躍できます。
①日本の有名企業が続々採用
例えば「食べログ」や「クックパッド」「Gunosy」などのコンテンツ企業もRubyを使っています。
また、個人事業主向けクラウド経理の「freee」や、フリーランス向け仕事紹介の「クラウドワークス」もRubyでつくられています。
世界最大の鉄道会社であるJR東日本も、Webサービスの構築にRubyを使っています。
またRuby開発者のMatz氏は楽天やZOZOTOWNの技術支援を行っています。今後ますますWebサービスを拡大させる大企業がMatz氏の力を必要としていることは、Rubyエンジニアにとってこれほど心強いことはないでしょう。
②海外の著名サイトもRuby
そしてRubyは著名な海外企業にも人気です。
アメリカのTwitter社がRubyを使っていることは有名ですが、同社以外にも以下のような企業がRubyを使っています。
・映画やドラマなどの動画配信サービスのhulu
・民泊サービスのairbnb(エアビー&ビー)
・コード共有・開発サービスのGitHub
③大企業志向の人もグローバル志向の人も
Rubyを獲得していると、国内の大企業で働くことも、グローバル企業で働くことも可能です。
Rubyが、PHP、Python、Perl、C、C++との共通点が多く親和性が高いことも、Rubyエンジニアたちの「仕事の幅」を広げることに貢献しています。
Rubyエンジニアは「大きくて広い仕事」に携わることができます。
Ruby案件の具体的な業務
フリーランスを目指す人にとって、Rubyの獲得はとても有利です。Rubyエンジニアの案件では、「経験不問」が少なくありません。つまり企業側には「自社で教育してでもRubyエンジニアを確保したい」というマインドがあるのです。
したがって企業にRubyエンジニアとして鍛えてもらうことは十分可能で、独立のための知識と経験を積みやすいのです。
例えば、5人以上のエンジニアを擁するプロジェクトの統括業務ができるようになれば、フリーランスに転向しても高額案件の獲得は難しくありません。もちろんRubyエンジニアは企業内エンジニアとして活躍する道も多く用意されています。最近は非IT企業、非Web企業もスマホアプリやWebアプリを使ってマーケティングを行うので、システム開発会社は多忙を極めています。
「Rubyエンジニアなら何人でも採用したい」と考えている会社には、厚遇で迎えてもらえます。
まとめ:Ruby需要の今後と未来
Rubyの今後と未来を考えたとき、ビッグデータ処理の強さがカギを握るでしょう。ビッグデータの獲得はアメリカのGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)のみならず、中国が国策として推し進めています。
この分野で日本は出遅れているだけに、ビッグデータ処理に強いRubyエンジニアへの需要は高まる一方です。
もちろんWeb開発の需要もまだまだ旺盛なので、サイトやアプリ開発に強いRubyエンジニアは、フリーランスになっても仕事が途切れることはないでしょう。Rubyは「間違いのない言語」のひとつであると断言できます。